JavaSEサポート:2019年1月で打切り!

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使い続けるには有償サポートを!
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「電子入札」が使えなくなる恐れ!
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米オラクルは2018年1月30日(米国時間)、Javaの開発・実行環境「Java Platform, Standard Edition(Java SE)」の商用向け更新版を公式ダウンロードサイトで提供するのは2019年1月までだと公式ブログで発表した。無償サポートは打ち切りになり、商用で更新版を使い続けるには有償サポートを受けるしかなくなる。
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この決定に対し、自治体関係者らの間に不安が広がっている。Java実行環境(JRE)を使う自治体の電子入札システムなどが情報セキュリティを理由に使えなくなる恐れがあるためだ。
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特に影響が大きいとみられるのが日本建設情報総合センター(JACIC)が提供する「電子入札コアシステム」だ。
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自治体はJACICのコアシステムをカスタマイズして利用している。コアシステムはJREを使っており、同システムを利用する全ての自治体が影響を受ける。全ての都道府県や政令指定都市が利用者として名を連ねる。
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総務省が地方公共団体向けに公表している「情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」は「開発元のサポートが終了したソフトウエアを利用してはならない」と定めている。ある自治体の入札担当者は「総務省のガイドラインに従ってセキュリティポリシーを策定した自治体は、サポート切れのJREを利用できない」と証言する。
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電子入札システムが使えなくなった場合、「入札参加者を集めて紙で入札手続きを進める旧来の方法に逆戻りしなければならなくなる」(同)恐れがある。サポート終了後にシステムを継続利用する場合は「応札者にセキュリティリスクを強いることになる」(同)。
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JREを利用しているのは電子入札システムだけではない。総務省の「電子政府の総合窓口(e-Gov)」や「政府電子調達(GEPS)」のほか、一般企業も使っている。
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Javaの有償サポートは初期費用や年間保守料がかかるほか、提供する最小ライセンス数が2000件といった条件があり、追加の費用負担は避けられない。有償サポートを避けるには、Javaを利用しないシステムを開発するか、JREに依存せずにJavaを利用する形態を取る必要がある。
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日本オラクルはJREを使わず、アプリにJava環境を組み込んで提供する形を提案しているという。この場合は「無償で更新版を継続的に入手できる」(同社)が、システムの改修が必要だ。
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2018年2月に入って、自治体がJavaを利用しない新システムの開発をJACICに求めたり、有償サポートの条件緩和など利用者の負担軽減をオラクルに求めたりする動きが広がっている。JACICは「どう対応するか検討を急いでいる段階だ」と明かす。
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オラクルは2017年9月にJREの無償サポート期限を2018年9月にすると発表したが、その後2019年1月に5カ月ほど延長した経緯がある。電子認証に詳しい関係者は「オラクルはサポート対応期間について改めて配慮するのではないか」との見方を示す。
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