福岡空港民営化:西鉄・九電連合が先行!

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JR九州は後手・挽回に向けて!
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空港ビルの株式を入手できるか!
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福岡空港(福岡市博多区)の民営化をめぐり、地場の有力企業が、主導権争いを繰り広げている。西日本鉄道は、運営権の受け皿の中核になろうと、九州の経済界の盟主である九州電力を担ぎ出し「地場連合」を結成した。「まちづくり企業」としてライバルのJR九州は、後手に回りながらも、地場連合への参加を決めた。
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西鉄の動きは早かった。今年7月22日、国土交通省が空港民営化の基本計画案を公表すると、その1週間後に、九電とともに空港運営を担う新会社を設立すると発表した。
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用意も周到だった。昨夏、社内に空港民営化に関する専門部署を設置し、九電と水面下で協議を始めた。
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倉富純男社長は「従来この手の話は、九電さんが動くまで様子を見ながらだった。だが、今の環境を見ると、本業以外で九電さんが引っ張るのは難しい。こちら(西鉄)から、(九電に)声を出そうと思った」と打ち明けた。
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来年1月に同部署の人員を、4人から11人に増やす。倉富氏は「本気度を示す」と強調した。
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西鉄本社にはこのところ、「西鉄詣で」と呼ばれる訪問者が絶えない。空港民営化に関心のある企業関係者であり、その数は数十社になる。西鉄は外資も含め、こうした大手企業とも連携し、主導権を握りながら、入札に参加する。
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西鉄関係者は「組むのは、腹を割って話せる相手だけ。こちらは待ちの姿勢です」と余裕を見せた。
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福岡空港のターミナルビルは現在、第三セクターの「福岡空港ビルディング」が運営する。空港ビルには福岡県や福岡市、日本航空、全日空に加え、西鉄や九電など地場企業が出資している。
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西鉄は「地場連合」で新たな会社をつくり、この空港ビルを子会社化し、空港運営権の入札に参加する計画を立てる。
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西鉄は、福岡の主要企業の親睦団体「七社会」のメンバーに、「地場連合」への参加を呼び掛けた。九電の「福岡空港は、地場企業で取り組むべきだ」(幹部)という意向もある。西部ガスや福岡銀行などは、協調する姿勢を示した。
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JR九州、西鉄とは福岡都市圏のまちづくり事業で、しのぎを削る。
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西鉄側の打診には「主導権は握れない。莫大な投資に見合う効果はあるのか」(役員)と異論が上がった。空港ビルの株主ではないため、情報入手で後手に回ったこともある。すぐには首を縦に振らなかったが、JR九州は10月に株式上場を果たした。地場企業としての一層の地域貢献が期待される。青柳俊彦社長は「確かに主導権を握りたいと思っても、難しい。それでも地元企業としての役割を果たしたい」と周囲を説得した。
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九電と組んだ西鉄が、他の有力企業を次々と取り込んだこともあり、流れは決まった。最後的にJR九州は「駅ビル開発などの経験がある。そうした仕事ができるなら、大いにやりたい」と西鉄側に回答し、地場連合への出資を決めた。
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福岡県と福岡市は年明け、空港ビルの株式を売却し、資本関係を解消する。県などが放出した分の空港ビルの株を、JR九州が地場連合に入る前段として、引き受ける可能性もある。青柳氏も「(県や市が抜けた所に)入るのが一番、自然だと思う」と語った。九州では、熊本空港でも民営化に向けた模索が始まった。今回できる地場連合が、熊本空港などの事業に参入する可能性もある。
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7月、全国で初めて民営化された仙台空港(宮城県)の場合、落札したのは東京急行電鉄や東急不動産など在京7社が設立した会社だった。地場企業は1社も入っていない。加えて、空港全体の運営ノウハウの蓄積もない。
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九州経済同友会の貫正義代表委員(九州電力会長)は、「世界の航空業界に顔の利く人の知恵も借りないといけない」と語った。
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九州の空の玄関口・福岡空港(福岡市)で、国内線ターミナルビルの大改造が進んでいる。整備する第3セクター・福岡空港ビルディング(空港ビル)は10月、老朽化していた第1ターミナルビル(第1ビル)を閉鎖し、今月から解体工事を本格化させた。新しいビルは、飲食店や展望デッキなどを充実させ、市営地下鉄の改札口から出発口にエスカレーターを直通させるなど利便性の向上も図る。2019年3月に完成する予定。
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12月7日。空港ビルの特別な許可を得て、解体が進む第1ビルを取材した。パワーショベルがガタン、ガタンと音を立てながら建物を壊していく。

建設会社の社員らも動き回っていた。
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「旧第1ビル辺りにも、航空機が駐機します。大きく姿を変えますよ」。新ビル整備を担当する空港ビルの中原和浩さん(43)はこう説明した。
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第1ビル完成は1969年。閉鎖までは、宮崎や離島の便、格安航空会社(LCC)の発着地点だった。ただ、国内線のビルは、第2、第3(建築当初の1981年は国際線。99年に国際線ビルは滑走路の反対側に移転)と増築を繰り返してきたため、「構造が分かりにくい」「九州の玄関なのにあまりに施設が貧弱」などの指摘も多かった。
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こうした背景から、空港ビルは、事業費約346億円で国内線ビルの大改造を決断。国が航空機の混雑緩和策として誘導路を増設していることもあって、第1ビルを解体。約50m東に代替ビルを建設し、第2ビルの南側も解体した上で第3ビル内部も改装し、1~3ビルを統合する。
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一方、工事で高速バスやタクシー乗り場などが変更になり、利用者が戸惑うケースも出ている。空港ビルは「案内する職員を増やした」とするが、年末年始の帰省客への対応などが課題となっている。
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福岡市・天神や博多駅に近く利便性が高い福岡空港の利用者(2015年度)は、国内、国際線を合わせて約2136万人。このうち、国内(約1672万人)は1日平均4万5812人で、羽田(東京)の17万1380人、新千歳(北海道)の5万853人に次ぐ。だが、飲食店などの数が少なく、主要空港に比べ、魅力的な施設にはほど遠いのが実情だ。
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このため、大改造には経済界も注目。「福岡空港が西日本の成長を先導すべき」(地場企業幹部)との声もある。19年4月頃には福岡空港民営化も予定され、自由度の高い経営との相乗効果に期待が広がる。
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新ビルは地上5階、地下2階で、延べ床面積12万7600㎡と従来より2割ほど拡張。特に2、3階の飲食店など商業スペースは約3割増やす考えだ。12月には2階にフードコート、17年秋にはラーメン店を集めた「ラーメン滑走路」が3階にオープンする。4階の展望デッキと一体化した公園も整備し、カフェやビアガーデンを設ける構想だ。
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安全対策も強化。現在は出発口と到着口が2階にあるが、新ビルでは出発と到着を完全分離し、利用者同士の接触を防ぐ。
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