伊豆・平和寺本山:産廃土砂投棄問題・宗教法人提訴へ!

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流出防止や損害賠償求め!
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議案は12月定例会に提出!
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静岡県「搬入者を徹底調査」!
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伊豆市大平柿木の宗教法人「平和寺本山」敷地内に産業廃棄物を含むとみられる土砂が投棄され、周囲に流出している問題で、市は10月26日、法人に損害賠償などを求め、静岡地裁沼津支部に提訴する準備を始めると発表した。議案を11月下旬開会予定の市議会12月定例会に提出する。
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敷地内の土砂は隣接する市有地などに流出。一部が斜面を下って柿木川にまで達し、養魚場が営業を休止するなどの被害が出ている。
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市は市有地への流出に対し法人に「流出した土砂の取り除き」と「土砂流出防止」、「損害賠償」の三点を求める方針。
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請求額は市の顧問弁護士と相談し決める。市は既に市有地への土砂流出防止柵設置など、緊急対策費用として数百万円を支出している。
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市によると法人は県や市に対し「土砂は第三者が投棄した。自分たちも被害者だ」と主張。現時点で投棄した人や目的は特定できていない。しかし、法人敷地内からの流出は事実のため、管理責任を問えると判断した。
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訴訟の中で投棄した人間や目的も明らかにし、県の調査や県警の捜査の後押しをする目的もある。訴訟と並行して被害拡大防止対策も進める。菊地豊市長は「放置すれば(柿木川が合流する)狩野川下流の沼津市まで深刻な影響が出る可能性がある。上流自治体としての責任を果たす。訴訟はその一つだ」と話した。
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市はまた、静岡県が9月24日に行った柿木川の水質調査の結果を発表した。流出地点の上流から下流まで約500mの3地点で行い、環境基準のうち人の健康の保護に関する数値などを調査。全項目で環境基準を下回った。一方、9月8日に市が実施した調査では、環境基準を上回る鉛が検出された。調査は晴天の日の採水が求められるが調査日は荒天だったため数値は参考として扱う。識者に見解を求めたところ「ただちに健康被害が生じることは考えにくい」との回答を得た。
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伊豆市の山間部に廃棄物が混じった大量の土砂が搬入され、近くの柿木川に流出している問題を巡り、小川雅也廃棄物リサイクル課長は10月5日の県議会危機管理くらし環境委員会で「土砂は2、3年前に持ち込まれたとみられるが、搬入者の特定には至っていない。捨てた者勝ちにならないよう徹底して調べたい」と述べた。
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さらに「市と連携して河川の水質検査など、周辺の生活環境保全上の支障を調査し、宗教法人に廃棄物撤去を要請したい」とも語った。搬入現場は宗教法人の敷地内。同課によると、調査を通じて産業廃棄物に当たるかどうかなどを判断する方針。
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自民改革会議の木内満氏(富士宮市)が「県は放置せず、搬入者を探して責任を取らせるべきだ」と県の対応をただした。市川敏之くらし・環境部長は「緊急にできることはすぐやり、原因者の調査をしっかりやっていきたい」と対応に全力を挙げる考えを強調した。
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伊豆市大平柿木の西伊豆スカイラインに近い山中にある宗教法人平和寺本山の敷地内から廃棄物の混じった土砂が近くを流れる柿木川に流出している問題。法人の敷地と隣接する市有林内にはがれきやプラスチック、ビニールなど大量の廃棄物が散乱し、目を覆いたくなる光景が広がっていた。市が実施した土砂流出防止柵の設置工事の公開が10月6日にあった。
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伊豆市松ケ瀬の国道から市道に入り、車で約15分走った所にある小尻梨橋。そこから林道を歩くと、横を流れる柿木川の所々にビニールなどの堆積が確認できた。
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土砂流出防止柵の設置工事現場までは30分ほど。柿木川に土砂が流入している地点から法人敷地の方角の斜面には、大量のビニールなどの廃棄物が、横幅が最大10mほどの沢を流れて岩や木にこびり付いていた。木が生い茂る周囲とは明らかに色味が異なり、全体が白っぽい。ビニールのほか、ガラスやれんがなどもあり、ほとんどが約10㎝四方に細断されていて、人の手が加わった廃棄物だと容易に想像が付く。
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法人の敷地から柿木川への流出部分までは直線距離で約500m。市は現場の立ち木を使った土砂流出防止柵を5カ所設置したが、大雨などで大量の土砂が流れてきた場合には柵で防ぎきれない可能性もあり、追加の対策が必要だと感じた。
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法人敷地内への廃棄物搬入者の特定には至っておらず、水質汚染も懸念される。
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