中国:豪からの石炭輸入禁止! 

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両国関係の悪化背景か!
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オーストラリアのモリソン首相は2月22日、中国が東北部にある5つの港で豪州産石炭の輸入を禁止したとの報道について「(中国による禁輸と)報道されたような結論を示唆するものはない」との見方を示した。

首脳会談のため訪問したニュージーランド(NZ)のオークランドで記者会見した。
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モリソン氏は豪州産品が中国の税関で足止めされることは「時々ある」と指摘したうえで、今回の問題は2国間の外交関係とは無関係と強調した。今後、過去にもあった規制の問題と同様に「中国の港や管理当局と対応していく」と述べた。
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豪州のフライデンバーグ財務相も22日、豪ラジオ局に出演、豪州産石炭が大連で輸入を禁止されたかどうかを尋ねられると「されていない」と否定した。フライデンバーグ氏は輸入のための検査に時間がかかっているとして、政治的な理由ではないとの見方を示した。「結論を急ぐべきではない。豪中の通商関係は非常に強固で重要だ」とも語った。
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中国の税関当局が東北部にある遼寧省大連など5つの港で、オーストラリアからの石炭輸入を無期限の禁止にしたことが明らかになった。ロイター通信が伝えた。豪州にとって中国は石炭の主要な輸出先で、今回の措置は豪経済への一定の影響が避けられそうにない。
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広州港など他の主要港での禁輸は明らかになっていない。豪政府は中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)に対し、次世代高速通信「5G」への参入を事実上禁止している。また、豪州での多額の政治献金で知られる中国人実業家の永住権を取り消すなど両国関係の緊張が高まっており、今回の措置は中国による豪政府への圧力との見方もある。
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ロイターによると、大連のほか、丹東や盤錦など遼寧省内にある計5つの港で豪州産石炭の通関ができなくなった。ロシアやインドネシアといった豪州以外の国からの石炭は影響を受けていないという。ロイターは、今年に入ってから中国で豪州産石炭の通関作業が滞っており、荷降ろしできない運搬船が港の外で列をなしていると伝えた。
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大連の当局は管轄する港での石炭輸入量を2019年は全体で1200万トンに制限する措置も決めた。
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中国外務省の耿爽副報道局長は2月21日の記者会見で「安全や品質リスクの検査や分析をしている」と述べ、輸入禁止を暗に認めた。目的については「中国企業の合法的権益や環境、安全を守る」と主張した。
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豪州のバーミンガム貿易・観光・投資相は駐中国大使を通じて報道内容を確認中だとしたうえで「中国は豪州にとって貴重なパートナーであり、自由貿易協定が引き続き尊重されると信じている」と述べた。
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中国税関によると、2018年の石炭輸入量は約2億8千万トン。大連港の取り扱いは7%を占める。豪州からの石炭輸入は8千万トン程度とみられ、インドネシアに次ぐ2位。豪州からの一般炭輸出量の約2割が中国向けとなっている。
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