博多駅から半径500m以内の再開発:動き出す!

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天神・大名地区の再開発事業「天神ビッグバン」!
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福岡天神・明治通り沿い再開発!
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JR九州・熊本駅にオフィスビル!
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人口減少を背景に、中核の鉄道事業が厳しい環境にあるなか、JR九州は、不動産や流通・外食事業を成長の柱と位置づける。熊本、長崎、宮崎の各駅でも駅ビル開発が進行中だ。
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博多駅周辺では16年に、博多マルイなどが入居する商業施設「KITTE(キッテ)博多」や、JR九州と日本郵便の共同複合オフィスビル「JRJP博多ビル」が開業した。
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福岡市は今月、博多駅周辺の老朽化ビルの再開発を促す新プロジェクト「博多コネクティッド(連結)」を発表。JR九州も西日本鉄道などの地場企業と連携し、新たな街づくりに取り組む。
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福岡市は2018年10月16日、同市天神地区の明治通りに面する天神2丁目南ブロックの大型再開発に向けた街づくり計画原案を議会に報告した。容積率を最大1300%まで拡大する独自の規制緩和制度を活用するために、地下通路や商業施設を整備し、街のにぎわいを創出する。
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同ブロックは南北を明治通りと商店街の新天町、東西をメルヘン通りと天神西通りに挟まれ、広さは約1.1ha。ビル8棟の地権者10者が再開発に向けた連携で合意。市が地区計画の「変更原案」を議会に報告した。
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市が進める都心部の再開発構想「天神ビッグバン」で設定された容積率の加算制度の要件を満たすため、低層階にはカフェやショールームなどの商業施設を配置。標識の統一や沿道の緑化にも取り組み、にぎわいと風格のある街並みをめざす。2024年末までに竣工すれば、現在700%の容積率が最大1300%に拡大する。
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さらに明治通りに沿って東西に約150m、幅4mの地下通路を新設する。両端には地上と地下を結ぶ約100㎡の立体広場を設ける。地下鉄天神駅まで階段がないバリアフリー環境となる。
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地上部分では建て替える建物の壁面をこれまでから1~4m後退(セットバック)させ、歩行者通路にゆとりをもたせる。南北に結ぶ通路も新設し、街の回遊性を高める。
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天神ビッグバンは国家戦略特区に伴う航空法の高さ制限緩和と、市独自のビル容積率緩和を組み合わせることで、更新期を迎えた同地区の再開発を促す施策。
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JR九州は2018年12月25日、駅ビルとホテル事業を再編すると発表した。2019年4月1日付でそれぞれ中間持ち株会社を設立し、地域などで分かれている各事業会社を傘下に置く。中間持ち株会社がIT(情報技術)投資や地域横断的な販促を担い、経営を効率化。「2事業をグループの柱にしてさらに成長してもらう」(青柳俊彦社長)。人手不足が深刻化するなか、採用活動も強化する。
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新しく設立する中間持ち株会社、JR九州駅ビルホールディングス(HD、福岡市)の傘下に、駅ビルを運営するJR博多シティ(同)やJR大分シティ(大分市)など6社を配置する。九州駅ビルHDの社長にはJR博多シティの渡辺晴一朗社長が就く。
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ホテル事業では、中間持ち株会社、JR九州ホテルズアンドリゾーツホールディングス(HD、福岡市)を新設し、関連3社を置く。九州ホテルズアンドリゾーツHD社長にはJR九州の松本淳也上席執行役員が就く。
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駅ビルとホテルのいずれも手掛ける小倉ターミナルビル(北九州市)については新会社を設立し、ホテル事業を分割する。
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JR九州の青柳社長は「スケールを生かした戦略を取るため、司令塔が必要」と、今回の事業再編の狙いを説明した。地域の事業会社で重複していた営業の一部をHDで担うほか、地域横断的な採用や人事異動などにつなげる。
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R九州は2018年12月21日、JR熊本駅(熊本市)に直結するオフィスビルを開発すると発表した。既に計画を進めている駅ビルに追加する形で、駅周辺の活性化を進める。2020年冬の開業を目指す。
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新ビル「熊本駅北ビル(仮称)」は、熊本駅の白川口駅前広場の北側に建設する。投資額は非公表。3800㎡の敷地に、地上12階建て、延べ床面積1万7000㎡の施設を計画する。1~3階を商業階とし、4~12階をオフィスにする。オフィス向けの貸付面積は1万㎡とする。
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オフィス全体で1000人規模の入居を想定。オフィス階は1フロアあたり最大で約1000㎡となり、広い空間を求める企業の需要にも応えやすくした。新幹線の停車駅に直結することで、オフィスの空室が少ない福岡市に拠点がある企業などの入居も想定する。
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JR九州は熊本駅一帯の再開発を進めており、主に商業用途とするビルも21年に開業する計画。
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