岐阜・救急無線談合:6消防本部側・住民訴訟!

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2組合と4市争う姿勢!
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3億9000万円の損害賠償!
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消防救急無線のデジタル化に伴う入札談合を巡り、岐阜県の住民が受注業者に計約3億9千万円の損害賠償を請求するよう、県内の6消防本部を管理する自治体に求めた訴訟の第1回口頭弁論が8月17日、岐阜地裁(真鍋美穂子裁判長)で開かれ、自治体側はいずれも請求棄却や訴えの却下を求めた。
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訴状によると、岐阜、中津川、下呂、山県市と揖斐郡、中濃の6消防本部は20111~13年、沖電気工業(東京)の代理店「中央電子光学」(岐阜市)に当たる岐阜市の会社とそれぞれデジタル化に伴う関連機器の工事契約を締結。
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その後、沖電気の独禁法違反が認定され、住民側は支払われた工
事代金の20%が損害に当たると主張している。
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下呂市と山県市は、両社に損害賠償を求めるなどしたとして、請求の棄却や却下を求めた。揖斐郡と中濃の両消防組合、中津川市、岐阜市は、中央電子光学が入札前に沖電気と落札額を相談して決定したかどうかは立証できないなどと主張し、棄却を求めた。
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訴状によると、2017年2月に公正取引委員会が沖電気を含む5社の
談合を認定した。原告は中央電子光学も入札談合に関与したとみて、5月に提訴した。
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公正取引委員会 平成29 年2 月2 日 (抜粋)
消防救急デジタル無線機器の製造販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について
公正取引委員会は,消防救急デジタル無線機器の製造販売業者に対し,本日,独占禁止法の規定に基づき排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
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違反業者及び課徴金金額(単位 万円)
㈱富士通ゼネラル 480,000
日本電気㈱      115,517
沖電気工業㈱     24,381
日本無線㈱       14,592
㈱日立国際電気   ---
合計              634,490
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2017年2月2日、日本電気㈱は社告で、課徴金減免制度で減免され納付額は11億5517万円、㈱日立国際電気は課徴金減免制度の適用が認められ、課徴金は全額免除された。日本無線は1億4592万円に減額、沖電気工業㈱は減免適用され、2億4381万円となった。
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住 民 監 査 請 求 書
平成30年3月5日
揖斐郡消防組合監査委員 殿
第1 監査請求の趣旨
監査委員は、消防組合管理者に対し、平成24年6月28日締結の消防・救急デジタル無線整備事業の工事請負契約に関し、中央電子光学株式会社及び沖電気工業株式会社から各自金9786万円を消防組合に返還させるための必要な措置をとることを勧告するよう求める。
第2 監査請求の理由
1 監査請求にかかる契約
揖斐郡消防組合は、消防・救急デジタル無線整備事業を指名競争入札の方法により発注した。
これに対し、中央電子光学株式会社大垣支店、沖電気工業株式会社岐阜支店等計5社が入札し、その結果、中央電子光学大垣支店が、1回目の入札で、4億6600万円で落札した。
そして、組合と中央電子光学大垣支店は、平成24年6月28日、下記内容の消防・救急デジタル無線整備事業の工事請負契約を結んだ。
イ 請負代金 4億8930万0000円(消費税込み)
ロ 受注者に独占禁止法違反行為による排除措置命令(47条の2第1項第1号)、あるいは課徴金納付命令(同項第2号)が確定した場合、受注者は、発注者に対して、合わせて請負代金額の10分の2に相当する額を支払わなければならない(47条の3第1項、第2項)。
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住 民 監 査 請 求 書

平成30年3月5日
中濃消防組合監査委員 殿
・・・(略)・・・
3 組合の有する債権
(1)中央電子光学に対する債権 (ア)請負契約に基づく違約金請求権イ 損害賠償額について、51条3項は、請負代金額の10分の1に相当する額と定める。
しかし、組合の周辺自治体(岐阜市、下呂市、山県市、揖斐郡、羽島郡)は、同旨の規定について、損害賠償額を請負代金額の10分の2に相当する額と定める。周辺自治体がかような規定をおいているのは、談合によって競争が実質的に制限され、その結果落札額が低額になった場合、自治体が被る損害額は請負代金額の20パーセントであると想定しているからである。
このことは、組合においても異なるものではないから、本件談合によって組合が被った損害は、請負代金額の20パーセントに相当する額である。50条3項でも、組合に同条第1項に定める以上の損害が生じた場合には、その超過分について賠償請求できる旨定めている。
よって、組合は中央電子光学に対し、請負代金額の10分の2である9355万5000円の
違約金請求権を有する。・(略)・
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