武田薬品の7兆円買収:支払利息は年1千億円超!

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笑うのは「武田」か「銀行」か!
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文春オンライン・2018年5月22日号は次のような記事を掲載。
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武田薬品工業は日本企業で過去最大額となる6兆8000億円でアイルランドの製薬大手シャイアーを買収することで合意した。シャイアーの年間純利益は武田の4倍を超す。「小が大を飲む大博打」に買収合意した5月9日の武田株は、一時5%安まで下落した。
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買収スキームは、現金約3兆円と武田の新株発行でシャイアーの全株を買い取る形。シャイアーの株主には、武田の新株が交付される「株式交換」となる。
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市場関係者は「買収価格が高すぎ、武田の財務内容が大幅に悪化する」と懸念する。今回の買収で、有利子負債は、1兆円から6兆円規模に膨れ上がる。かつて無借金経営で名を馳せた武田からは隔世の感がある。さらに、武田のウェバー社長は、配当を維持することも明言しており、重くなる武田の財務負担をマーケットは嫌ったのだ。
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その一方で、今回の巨額買収に笑みを隠し切れないのが、銀行だ。武田が調達する約3兆円の現金は、半分の1.5兆円を米大手銀のJPモルガン・チェースが出し、残りを三井住友銀と三菱UFJ銀の2メガバンクが半分ずつ供与する。
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メガバンク幹部が解説する。
「当座の融資は期間1年のブリッジローンで、その後、長期の融資に転換するか、社債に振り替えられる。短期のつなぎ融資は緊急性が高い分、高金利が得られる一方、長期融資や社債に転換する段階でアレンジメントフィーも入る。銀行にとっては非常に美味しいディールです」
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支払う利息は少なくとも年1000億円を超えると見られる。…
また、売り手、買い手の双方に、野村証券やゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの投資銀行が財務アドバイザーに入っている。
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「内外の投資銀行が得る報酬総額は空前の200億円規模となる」(市場関係者)
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武田のウェバー社長は、買収により「単純合算で売上高は2倍、利益水準は3倍になる」と強気の構え。シャイアーの収益の源泉である新薬の特許は、2021年頃から切れ始めるとされる。
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「世界で戦うためには必要な買収」(武田関係者)なのか。それとも「銀行にいいように担がれている」(金融関係者)のか。

答えは意外に早くでそうだ。
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読んでいるうちに、武田が順調に業績を上げるならメガバンクは安定利息を受け取れるし、武田が借金で業績が悪化しても、財務アドバイサーや投資銀行が、転売を目論め、損をしない工程を描いているのではないか。損をするのは武田だけ。
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