前川前文科事務次官:恨みの内閣を一刺しか!

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重要人物の萩生田官房副長官と義家文科副大臣の発言は?
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いま政権中枢の力が強まっている・前川!
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文科省の役人天下りで責任を取らされ、安倍内閣に恨みを抱く前川前事務次官。明智光秀ではないが、「ときはいま」とばかりマスコミや民進党に持ち込んだA4判8枚の文書。その文書の真贋が政界・マスコミに取り上げられ、いつまでも覆面ではおられず、ついに25日夕方に記者会見に及んだ。
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前川喜平氏は午後4時過ぎ、弁護士に付き添われて、東京・霞が関の弁護士会館の一室に姿を現した。紺のスーツにグレーのネクタイ。100人以上の報道陣を前に席に座ると両手を前で組み、口を結んだ。
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「文科省の中で作成され、幹部の間で共有された文書で間違いない」。冒頭の発言で真っ先に切り出したのは、「総理のご意向」などと伝えられたと記された文書の真偽だった。
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「黒を白にしろと言われる」。加計(かけ)学園の計画を巡る文部科学省の文書の存在が発覚して1週間あまり。前事務次官の前川喜平氏(62)が25日、公の場で「政権中枢」から感じた圧力を語った。「これ以上行政をゆがめることはないように」。職員に向けた言葉も繰り返した。
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前川氏は、民進党が国会で示し、文科省に調査を求めたA4判8枚の文書について「いずれも真正な本物」と説明。文科省が「該当する文書の存在は確認できなかった」という調査結果を出したことに、「大変残念」「改めて調査をすれば存在は分かることだと思う」と述べた。国会の証人喚問に応じるか尋ねられると「あれば参ります」と返した。
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前川氏は、閣議決定された条件を満たさないまま獣医学部の新設方針が決まったとし、「極めて薄弱な根拠の下で規制緩和が行われた」「(文科省が)負いかねる責任を負わされた」と述べた。
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獣医学部新設に向けた過程が「加計学園ありきだったのか」と問われると、「関係者の暗黙の共通理解としてあったのは確か。内閣府でも文科省においても議論している対象は、加計学園のことだという共通認識のもとで仕事している」と明かし、こうも言った。「口に出して加計学園という言葉を使ったかどうか、そこは使っていない場合が多いと思う」
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文書が公になって以降、安倍晋三首相がコメントしていないことについて問われると、「コメントする立場にない」とかわした。一方で繰り返したのは文科省への配慮の言葉だ。
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「大臣も含め文科省の人は、本当に気の毒だと思っている。(文書の調査で)あるものをないと言わざるを得ない、(規制緩和で)できないことをできると言わざるを得ないという状況に追い込まれている」
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「赤信号を青信号だと考えろと言われて赤を青にさせられて、実際にある文書をないものにする。いわば黒を白にしろと言われているようなもの」
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首相官邸との関係をこう語った。「現在の文科省については官邸、内閣官房、内閣府といった中枢からの要請について逆らえない状況がある」「いま政権中枢の力が強まっていることは事実だ」
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問題の文書の中に登場する重要人物が、学部設置の認可を判断する文部科学省の義家弘介副大臣と、萩生田光一官房副長官だ。
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5月18日、日刊ゲンダイが計8枚に及ぶ文書を全文公開している。文書によると、松野博一文科相からの「ご指示事項」には「教員確保や施設設備等の設置認可に必要な準備が整わない」として懸念が示され、「31年4月開学を目指した対応をすべき」と記されている。松野文科相は早期開学に否定的だったのだ。
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「義家副大臣レク概要」と題された文書には、「平成30年4月開学で早くやれ、と言われても、手続きはちゃんと踏まないといけない」「やれと言うならやるが、閣内不一致(麻生財務大臣反対)をどうにかしてくれないと文科省が悪者になってしまう」と記されている。義家副大臣も松野文科相と同じく、早期開学には否定的だった。
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「腹心の友」という首相発言が生まれたイベント
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ただし、義家氏と萩生田氏はここから事態を動かしていく。「10/4義家副大臣レク概要」と題された文書には、義家氏の言葉として「私が萩生田副長官のところに『ちゃんと調整してくれ』と言いに行く。アポ取りして正式に行こう。シナリオを書いてくれ」という一文が記されている。また、「10/7萩生田副長官ご発言概要」と題された文書には「平成30年4月は早い。無理だと思う。要するに、加計学園が誰も文句が言えないような良い提案をできるかどうかだな。構想をブラッシュアップしないといけない」と萩生田氏が語ったという一文が記されている。
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当初は誰しも否定的だった早期開学だったが、実現に向けて徐々に動き出していく様子が文書から窺える。そして、昨年11月に国家戦略特区の諮問会議で獣医学部の新設が52年ぶりに認められ、今年1月に加計学園によって今治市に新設される方針が正式に決定したという流れだ。
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18日、衆議院・農林水産委員会で野党からの追及を受けた義家氏、萩生田氏は文書の信ぴょう性が疑わしいと口を揃え、内容についても否定した。
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なお、加計学園が04年に開校した千葉科学大学の客員教授には、当時落選中だった萩生田氏や第一次安倍政権で首相秘書官を務めた井上義行氏らが名を連ねていた。この大学の開設にあたっても、今回の獣医学部と同様、銚子市から市有地を無償貸与された上、約78億円もの助成金を提供されている。先の「腹心の友」という言葉は、この大学の開学10周年式典の式辞で安倍首相が述べたものだ。
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前川氏が記者会見をした25日。首相も萩生田官房副長官5月26、27日にイタリア・タオルミーナで開催されるG7サミットに出席するため国内は留守である。
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麻生太郎 副総理兼財務大臣は「だから認可しなきゃよかった。俺は反対だったんだ」と(『週刊文春』4月27日号)にも出ている。麻生氏に言わせれば、貧乏人には困ったものだ。政治家も財力がない家計とある家系では、心の持ちようが違っている。
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