新名神・橋桁落下:ジャッキ2基崩れる!

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兵庫県警が原因調査!
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バランス保てずだったのか!
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神戸市北区で4月22日、建設中の新名神高速道路の橋桁(長さ約120m、重さ約1350トン)が国道に落下して作業員2人が死亡、8人が重軽傷を負った事故で、落下した橋桁の西側を支えていたジャッキ4基のうち、2基が崩れ落ちていたことがわかった。

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西日本高速道路(NEXCO西日本)関西支社や兵庫県警が取材に明らかにした。県警はジャッキが崩れた理由を詳しく調べる。
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同支社によると、ジャッキは鉄製で高さ約3m。仮設の台に四つ載せられており、橋桁西側を支えていたという。事故が起きた22日は、橋桁をつり下げる際にワイヤをつなげる金属棒3基(計75トン)を橋桁西側の上部に接着させ、ワイヤで仮留めする作業をしていた。作業が終わったのは午後4時すぎで、約20分後に事故が発生したいう。
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同支社は「(金属棒を)橋桁に載せることで重くなるが、想定外というほどではなかった」と説明している。だが県警は、金属棒の接着により橋桁西側が重くなったことで、ジャッキが崩れ落ちた可能性も含めて調べる。
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県警や施工を発注した西日本高速などによると、落下した橋の西側は、橋脚の上部や周囲に鋼材などで組んだ仮支え用の「ベント設備」と呼ばれる台に円柱状のジャッキ四基を正方形に並べ、その上から橋桁を載せて支えていた。事故後は北側の2基だけが残り、南側はベント設備から落ちているのが確認された。
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事故当時は今月末に予定していた橋桁を橋脚まで下ろして固定する作業に向け、橋桁を専用の設備でつり下げるための金属製器具「セッティングビーム」3基(計約75トン)の取り付けを実施。
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西日本高速は、橋桁の西側を支えるジャッキの強度はセッティングビームの重さも想定していたと説明。「橋桁がジャッキから滑り落ちたか、ジャッキが壊れたかは分からない」としている。落下しなかった橋桁の東側は既につり下げの作業まで終わっており、当時はベント設備の撤去が行われていた。
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施工を担当した横河ブリッジ、発注した西日本高速道路によると、落下した橋桁の西側は、橋脚の上に置かれたジャッキで支えられ、東側は専用の設備でつられた状態だった。
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西日本高速の担当者は「橋桁がジャッキから滑り落ちたのか、ジャッキが壊れたのかは分からない」と述べた。同社は新名神高速の全ての工事をいったん中止することを決めた。
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現場で作業していた男性は「橋の下の足場を解体する作業中に『バチン』という音がして、一瞬で崩れ出した」と話した。
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県警は23日から業務上過失致死傷容疑で現場検証を始めており、24日以降も続ける方針。またNEXCO西日本は23日、今回の事故について有識者による技術検討委員会を28日に設置することを決めた。
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横浜国立大の藤野陽三・上席特別教授(社会基盤構造学)の話 橋桁の長さが100mを超える工事は難易度が高くなる。橋の建設数が全国的にピークを迎えた時期から10年以上が過ぎており、経験が豊富なベテラン作業員が少なくなってきた。どこかに安全対策の見落としがあったのではないか。
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工事は三井住友建設と横河ブリッジが元請けとなって実施。横河ブリッジによると、橋は複数の橋桁で構成され、落下した部分の現場では大型クレーンの設置が難しいため、片方の橋脚に橋桁を置いて次の橋脚に向けて押し出す工法を採っていた。
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西日本高速は「本来あってはならないことで申し訳ない」としている。横河ブリッジの親会社の幹部も「大変な事故を起こし、申し訳ない」と謝罪した。
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 <新名神高速道路>

名神高速道路の渋滞解消を目的に、名古屋市から神戸市までを結ぶ約174キロの高速道路。2023年度の全線開通を目標に工事が進み、滋賀県などの一部区間は開通している。今回、落下事故が起きたのは高槻ジャンクション(大阪府)から神戸ジャンクションまでの約40・5kmの工事部分で、来年春完工の予定だった。
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<U桁リフティング架設工法とは>
U桁リフティング架設工法は、U形断面のプレキャストコンクリート桁を、リフティングガーダーにより橋脚に近い位置で吊り上げて一括架設する工法です。
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