西アフリカ沖・ギニア湾:石油タンカー・行方不明!

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インド国籍の22人乗船・消息絶つ!
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インド国籍の乗員ら22人を乗せた石油タンカーがアフリカ大陸西岸沖 で行方不明になり、現場の海域では消息を絶ってから4日目となった2月4日も捜索活動 が続けられている。
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行方不明になっているのは1万3000トンあまりのガソリンを運んでいたタンカー 「マリン・エクスプレス」。運航会社のアングロ・イースタンによると、2月1日、ギニア湾を航行中に連絡が途絶えた。
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インド外務省報道官は、ギニア湾に面したナイジェリアやベナンなどの当局と連携しながら、同船の捜索を続けていることを確認した。
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アングロ・イースタンは、行方不明になっている乗員の家族と連絡を取っていることを明らかにした。
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海上の犯罪を取り締まる非営利組織、国際海事局(IMB)によると、昨年の海賊事 案や強盗事件の件数は22年ぶりの少なさだった。しかしギニア湾では危険な状況が続いている。
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IMB代表は、「(2017年は)前年に比べて襲撃の件数は減ったが、ギニア湾な どナイジェリア周辺の海域では依然として海運の安全が脅かされている」と指摘した 。
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同団体によると、ギニア湾の海賊事案は件数でも重大性でも世界の中で群を抜いてい る。
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ひと昔前、海賊といえばソマリア沖であった。ところが今ではギニア湾が最も海賊出現の多いホットゾーンと化してしまった。狙われるのはナイジェリア沖。商船、中でも貨物船やタンカーが狙われる。
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海事犯罪対策に当たる非営利機関「国際海事局(IMB)」は、世界規模での海賊事件は過去5年間でほぼ半減したものの、アフリカ西部ナイジェリア沖のギニア湾のみでは増加し、その割合は1週間に約1件に達していると報告した。
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今年1~3月の第1四半期内の動向をまとめた報告書で、ナイジェリア沖合を中心に発生している乗っ取りや銃撃などの海賊事件は収まる気配がないと指摘。同海域での船舶や乗組員への暴力は容認出来ない水準にあるとし、身代金狙いなどの拉致の増加への懸念を示した。
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報告書によると、同国沖で起きた海賊事件は計10件で、2014年の6件、15年の7件に比べ増えた。
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世界全体で見た場合、IMBが把握した海賊事件や未遂は計37件。昨年同期の54件は下回ったが、被害届け出に時間がかかることもあり今年の件数はさらに増える可能性があるとしている。
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海賊横行の原因は、違法操業船が多いという事だ。正式には「違法、無規制、無報告操業」と呼ばれている。地元の漁師や水産関係者によれば、その多くは中国漁船だという。
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ある仏人の海洋関係者はいう。「沿岸のアフリカ人が保護に努めても、中国漁船が根こそぎに魚をとっていく。稚魚でも小魚でも容赦がない。たった数年で魚は激減してしまった。」「沖で採った魚は沿岸国に陸揚げされることはない。だから実態もわからない。」
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ギニア湾北岸には大小合わせて7つの国が並ぶ。これらの国が海岸線を短い距離でわけあっている。しかし海域を国境で分けることはできない。お魚も、海賊も、違法漁船も、パスポートもビザもない水域を、自由に超えながら移動し、当局の監視や統制を逃れる。
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2016年、アフリカ連合(AU)主導により、国際海上安全会議が開催された。アフリカ中の国家元首が集まり、議論が繰り広げられたが、地域イニシアティブもあり国境線の断絶と、多数国間の調整、沿岸国の管轄権などたくさんの課題で実効は出ていない。
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食えない漁民は、ギニア湾では手っ取り早く船舶の襲撃を基本としており、身代金目的の人質誘拐は行われないという。が、ソマリアに続いて第二の海賊拠点になっている。
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