ドイツ銀・信用回復に苦慮:債券利払いに不安!

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資産も借金も桁違い!
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政府の借金を銀行が抱える!
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ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行が経営危機に陥り、不良債権と巨額負債を抱え、2015年度に67億9400万ユーロ(8832億円)の赤字になったと発表。
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ドイツ銀行は、経営破綻の噂が流れており、加えて、デリバティブの損失も懸念されている。世界経済の混乱の原因にもなり、世界同時株安の原因にもなっている。特にデリバティブは、金融派生商品と言われ、通常の定型融資と異なりオーダーメイドの契約になっている。そのため実態を把握することは困難で、財務基盤の崩壊が続いている最中の清算など到底できない。株主にとって、デリバティブ取引の実態を外部から把握できないため、株価の投売りを行う以外手がないという事だ。総資産が200兆円以上あるメガバンクではあるが、産すればリーマンブラザーズを超える規模になるだろうと懸念されている。
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リーマンの倒産で痛い目にあった世界の金融機関、保険、証券会社やカード会社。リーマン以上の資産会社が倒産すると、次々と不安は連鎖し、世界中の銀行が株価暴落をするきっかけになる。
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ドイツ経済はEUの要でもあり、これまではメルケル首相も経済の主導権を握って来られたが、フォルクス・ワーゲンのディーゼルエンジンNOX窒素酸化物不正事件は、ドイツの信頼を一気に落とし、難民の流入による国内治安と経済負担で、国内に不安が発せいしメルケル首相の支持率も大幅に低下している。
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フランス、パリで起きたイスラム移民の銃撃テロは、これら不安要素に一気に火をつけ、治安問題にも影響を与えた。
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ドイツ銀は2月8日、今年と来年の高リスク債の利払いに十分に対応できる資金力があると発表。マルクス・シェンク最高財務責任者(CFO)はドイツ銀のウェブサイトに掲載した従業員宛て文書で、「当行の資本とリスクのポジションは引き続き強固だ」と強調した。
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発表資料によると、ドイツ銀は2016年に約10億ユーロ(約1300億円)の支払い能力があり、「その他Tier1債」(AT1債)で4月に予定する約3億5000万ユーロの利払いを十分にカバーできる。中国の華夏銀行の持ち株を売却して得る資金などに支えられ、17年の支払い能力は43億ユーロ程度の見通し。17年の見通しは16年の損益の影響を除いたベース。
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そうはいっても、グローバル経済の成長鈍化と低金利のせいで、各行は融資で利益を出せなくなっており、原油安でエネルギー企業の債務返済が滞る一方で、規制強化によって投資銀行部門は儲けが薄いビジネスになった。欧州の銀行は「慢性的な収益性危機」にあると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は指摘する。
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債権返済資金だけでなく、赤字の原因は、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作事件などで罰金支払い義務を抱え、規定違反をめぐる訴訟費用もかさんでいることにあり、法的問題は今後も起き上がりそうで、場合によっては巨額の制裁金を科されることにもなりかねない。一部債券の利払いを停止する可能性も否定できない。
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CoCo債は「手榴弾付きのハイリターン投資」だ。株式と債券を合わせたような存在で、通常の債券と同様に利子を支払う。ただし、利払い10+ 件を繰り越したり、自己資本が低下した場合は株式に転換して利子を払わないようにすることも可能だ。
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ドイツ銀行が来年にもCoCo債などの利子を支払えなくなる可能性があると警告。最悪の場合、株式転換や元本の全額削減で、保有者に損失を肩代わりさせることもあり得る利回りが比較的高いCoCo債。
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いつ、何が起きるか分からないのが、政治と金融の世界。長年ドイツ政府の借金を銀行に肩代わりさせてきた結果、破綻の危機に陥っている。メルケル首相の指示で、VW倒産を防ぐために1兆円を融資したドイツ銀行。中国と組んできたドイツも、中国の凋落とともに危険水域へ近づいていく。
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