悪質民事再生・エル・エム・エス:2種類の決算書・作成!

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全国に拠点を持つ理化学機器商社!
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実際は20億円超の債務超過!
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2019年夏から動向が注目されていた(株)エル・エム・エスの周辺が慌ただしくなってきた。
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11月19日、東京地裁に民事再生法を申請した(株)エル・エム・エス(文京区)が粉飾決算を行っていたことが、東京商工リサーチの取材でわかった。
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対外的に提出していた決算書は、これまで十数億円の資産超過だった。だが、今夏に実施した公認会計士による財務調査で、実際は20億円超の債務超過だったことが発覚。これが民事再生の申請の一因になった。

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TSRが独自に入手したエル社の「再生手続開始申立書」には、「金融機関に提出する目的と税務署に提出する目的の2種類の決算書を作成するなど、粉飾決算を行っていた」と記載されている。
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エル社は11月25日午後、債権者向け説明会を都内で開催する。民事再生の経緯や資産内容などについて説明するとみられる。
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1985年設立で、理化学機器や医療機器の販売では老舗業者として2015年9月期は売上高122億3926万円をあげていた。だが、最近は大学などのエンドユーザー向け売上が落ち込む一方、規模縮小が遅れてキャッシュアウトに歯止めがかからず、多忙な資金繰りが続いていた。このため2019年秋、金融機関に支援を要請するバンクミーティングを開催していた。
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11月18日、エル社の本社は取引先が次々と訪問し、緊迫した雰囲気に包まれ、エル社の従業員は訪れる取引先の関係者に、「ご迷惑をおかけしております」と事態を詫びていた。ただ、商品の引き上げを巡り押し問答や、担当者との面会を強く求める場面もみられた。
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従業員のひとりは、「責任ある立場の者が不在で何も言えない。ただ、近いうちにしっかり説明する」と語るにとどめた。
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複数の関係者によると、エル社幹部は主要取引先に今後の展開を説明しているとみられる。だが、その他の取引先へは具体的な説明はなく、様々な情報に振り回されている。
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(株)エル・エム・エス(資本金2億9800万円、東京都文京区本郷3-6-7、代表朝比奈幸一郎氏、従業員160名)は、11月19日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全管理命令を受けた。
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申請代理人は、松田耕治弁護士ほか5名。保全管理人は、長島良成弁護士(長島良成法律事務所、電話03-5276-1321)が選任されている。
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同社は、1985年(昭和60年)12月に設立。理化学用関連の器具・消耗品および試薬の販売を主力に理化学機器や医療用機器、動物実験機器の販売も手がけていた。国内外のメーカーを仕入先とし、取り扱いアイテムは30万点に及ぶため、幅広いニーズに対応できることや、北海道から沖縄で全国規模で営業活動を行ったことなどから売り上げは伸長。

2015年9月期には年売上高約122億3900万円を計上していた。
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その後は、人件費の増加や仕入れ値の上昇から粗利率が低下するものの、一定の売り上げを維持し、2018年9月期の年売上高は約117億9400万円を計上していた。2019年に入り、一部の金融機関に対してリスケを行うとともに、9月末には中小企業再生支援協議会が介入。その後、支援協のもと再建案の策定などを進めていたが、11月の手形決済が困難となり支払い不能のおそれが生じたため、今回の措置となった。今後は管理型の手続きで再生を図る方針。
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負債は、債権者数約780名に対し約66億円。
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債権者説明会は、11月25日午後1時30分より日本教育会館一ツ橋ホール(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)にて開催の予定。なお、スポンサーについても有力な候補者と協議を進めている模様。
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