整理回収機構:安定化の為の優先株引受け・9行HD!

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公的資金未返済行のSBI新生銀が1200億円調達!
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新年1月10日、金融庁が「地銀の外債投資含み損」について約20行の地銀の取引内容チエックに入るとニュースが流れ、はてな?と思うことは、2022年春から一部の銀行が「金融機能強化法に基づく公的資金の申請準備を進めている」というニュースである。
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大手行も含み「抱える有価証券の含み損」は本業が儲からないので証券会社などが「外国債券の保有・運用」を勧め手を出したが、アメリカなどでの急速な金利上昇に伴い、外債の時価が大きく下落したことで損益が発生しているが、含み損は直ちに自己資本比率には影響しないが、金利上昇で懸念されるのが「逆ザヤ」なのだ。
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低金利の預金が投資原資である国内債券と異なり、外債の場合は外貨調達コストが発生する。調達コストが利息配当金を上回る「逆ザヤ」に陥れば、運用を続ける限り損失が膨らんでいく。
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SBIが運用する外債ファンドに投資している銀行もあり、「海外の地方債は表面利回りこそ高いが、流動性が低く価格変動も大きい。積極的に投資している銀行は多くないのではないか」。とは言うものの、3月期決算で赤字を膨らませるのか、株式や国内債券の含み益にも乏しい状況で、保有株式売却益と外債の売却で損失をカバーすることが一部銀行でも行われているが、全体を見回すと、無理なことだ。
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地銀全体では、過半数の58行が有価証券全体で含み損となっている。
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売却益を出す余力がなく、含み損を解消できないまま、期末を迎えるのか千葉銀行のように上限100億円の自己株買いをするのかだが、地銀の市場運用部門は規模が小さく、数千億円から1兆円超の資金を数人で運用している例もあるといわれ、運用部門の脆弱さが今後を左右しそうだ。
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そのような中、

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整理回収機構が「金融機関の資本の増強を図るため、金融機関の発行する優先株式を引き受けた」として資金は預金保険機構からの借入金である。
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令和5年1月4日付けで
㈱じもとホールディングス
整理回収機     28,000,000株 56.52%保有 200億円
預金保険機構保有    537,580株  1.09%保有 100億円
合計 300億円
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フィディアホールディングス㈱
整理回収機構 1,250,000株  6.45%保有 50億円保険機構→借
預金保険機構  115,200㈱  0.59%保有 ーーーー
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㈱高知銀行
整理回収機構 7,500,000株 42.27%保有  ーーーー
預金保険機構  348,400株 1.96%保有取得 22億6234万4千円
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㈱SBI新生銀行(公的資金残高あり)
整理回収機構 20,000,000株 7.72%保有 1200億円保険機構→借
預金保険機構 26,912,888株 10.39%保有
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㈱筑波銀行
整理回収機構 70,000,000株 45.89%保有 350億円保険機構→借
預金保険機構  1,910,700株  1.25%保有
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㈱東北銀行
整理回収機構 4,000,000株 29.61%保有 100億円保険機構→借
預金保険機構   86,200株  0.64%保有 1億9607万6千円
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㈱東和銀行
整理回収機構 7,500,000株 16.79%保有 150億円保険機構→借
預金保険機構 1,363,200株  3.05%保有 60億2534万4千円

㈱豊和銀行
整理回収機構 1,600,000株 14.10%保有 160億円保険機構→借
預金保険機構  337,500株  2.98%保有 16億9773万6千円
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㈱プロクレアホールディングス
整理回収機構 1,840,000株 保有割合 6.03%
預金保険機構 1,358,512株 保有割合 4.45%
青森銀行とみちのく銀行の経営統合・優先株を2022年4月1日取得
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2022.12.5.
㈱宮崎太陽銀行
整理回収機構 保有株式 処分により0 ーーー
預金保険機構 取得株式 174,700株取得 852,702,000円
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【公的資金の残高(平成20年3月末)】
りそなホールディングス 残高 3,802億円
中央三井トラスト・ホールディングス 残高 3,632億円
新生銀行(現SBI新生銀行) 残高 2,500億円
あおぞら銀行    残高 2,152億円
ほくほくフィナンシャルグループ 残高 850億円
(北陸銀行400億円、北海道銀行450億円)
千葉興業銀行  600億円
福岡シティ銀行 350億円
東日本銀行   200億円
岐阜銀行    120億円
琉球銀行     60億円
公的資金の残高合計 1兆4268億円
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SBIは2021年9月、島根銀行と資本提携し、グループとして34%を出資。その後、福島銀行(19・25%出資)、20年1月に筑邦銀行(福岡、3%出資)、2月に清水銀行(静岡、3%出資)に地銀と提携している。SBIはこれらの地銀に出資する持ち株会社として、新たに「SBI地銀ホールディングス」を設置。2020年5月に大東銀行(福島)の株式を議決権ベースで17・14%取得して筆頭株主となり、11月の金融持株会社「じもとホールディングス(HD)」(仙台市)と、相次ぎ資本業務提携を発表した。
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㈱SBI新生銀行が整理回収銀行から1200億円(預金保険機構の資金)を回収機構から「優先株式を引き受け」資金を受けたのも、その一環なのであろうか。じもとHDは単独で300億円を調達した。
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※じもとHD(仙台銀行、きらやか銀行)、フィディアHD(荘内銀行、北都銀行)、プロクレアHD(青森銀行、みちのく銀行)
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