請負け集約型産業から技術型へ:大手ゼネコン!

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技術者不足解消となるか・ロボット導入!
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ゼネコン業界の再編が急速に高まっている。従来のようなゼネコン同士の統合ではない。
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旧村上ファンド系の西松建設株式買収で、決着は「西松の自社株買い」であるが、案分比例で残った株を総合商社伊藤忠商事が2021年12月15日シティインデックスより議決権ベースで10.16%の株式を取得し筆頭株主となった。シティなどの西松株の持ち分はなくなった。西松建設は伊藤忠商事と資本業務提携の契約を締結することを決議したと発表した。この締結はゼネコン関係者に驚きを持って迎えられた。商社が筆頭株主となったことで、この提携について「商社が施工機能を持ち、不動産、建材のバリューチェーンを構築することで、建設業界の優良企業群とのアライアンスを強化」し、「両社の中長期的企業価値の向上を実現するとともに、持続可能な社会の発展に貢献して参ります。」と利点を述べている。
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鹿島と竹中工務店、清水建設が幹事となって次世代技術の開発で連携する「建設RXコンソーシアム」が2021年9月に発足した。
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建設RXコンソーシアムとは、建築現場などで使用される施工ロボット、IoTアプリといった施工支援ツールなどの開発を複数の企業が連携して行う取り組みを指す。
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会員は、
株式会社 竹中工務店
清水建設 株式会社
株式会社 淺沼組
株式会社 安藤・間
株式会社 奥村組
株式会社 熊谷組
株式会社 鴻池組
株式会社 錢高組
鉄建建設 株式会社
東急建設 株式会社
西松建設 株式会社
株式会社 長谷工コーポレーション
株式会社 フジタ
前田建設工業 株式会社
戸田建設 株式会社
矢作建設工業 株式会社
飛島建設 株式会社
五洋建設 株式会社
東洋建設 株式会社
佐藤工業 株式会社
青木あすなろ建設 株式会社
三井住友建設 株式会社
東亜建設工業 株式会社
大豊建設 株式会社
協力会員も76社在籍
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建設業ではない異業種やスタートアップ企業などとも協業して行っているのが特徴。狙いは、技術・事業開発によりデジタル変革(DX)に対応することと、脱炭素社会へ転換することです。都内および大阪に技術者が中心となった10名程度を有するサテライト拠点を3ヶ所設置。海外の研究拠点展開も視野に取り組んでいる。
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具体的な活動としては、東京にあるCOT―Lab大手町では、まちづくり関連の事業者およびイノベーション企業と連携し、大丸有エリアで実証、実装。
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一番重点的なのは、
M&A(合併・買収)によるグループ化である。清水建設は2022年3月、持分法適用会社の日本道路を子会社化した。
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産業界の中でも、他産業から産業から参入し難い「特異な体質」なのが原因なのだといわれている。他産業のように、部品を鋳型で取るとか、旋盤加工で単一品を多量の製造するのと違い、建築・土木工事は1品づつ「設計図書」で支持された通り作る。それと、建設業法第2条柱書および別表第1では、29業種が定められている。工事を請け負う総合建設業(土木・建築)と専門的分野を請け負う職別工事業(専門工事業)があり、管理者、技術者を含め許可、資格が義務付けられている。大量受注生産ができない構造なのだ。
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2021年7月に東京エネシスが日立プラントコンストラクションの事業を吸収分割買収した。
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2021年2月、アクシスウェアは株式譲渡の手法で飛島建設に買収された。
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2021年2月、大昭工業は、株式譲渡の手法で高松建設により買収された。
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2021年1月、TAKUMINOホールディングスは、木戸建設と資本提携した。
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2019年5月、戸田建設は福島県にある佐藤工業を子会社化した。
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そのほか大盛工業は山梨県にある井口建設を子会社化、ヒノキヤグループがハウジーホームズの全株式を取得などあるが、今後は、地域地盤の拡大や新市場への事業拡大を図ったり、技術はあるが後継者問題を抱えた地方ゼネコンなど、色々な動きが出てくると予想される。
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先の「建設RXコンソーシアム」のように、労働集約型の建設業から技術優先型の企業へと進む必要があると大成建設の相川善郎社長も言っている通りだろう。
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