残土と汚泥:区分の判定・汚泥判断は性状だが!

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建設汚泥・全国統一判断は示されていない!
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自治体により判断が違う!
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最近の違法盛土の代表は「熱海伊豆山の土石流」があり、気象異常による長雨、大雨で土砂崩れや土石流、河川の氾濫による市街地への土砂流入が日本各地で発生している。残土処分場へ搬出するのか、最終処分場へ行くのか、建設業者なら当然知っていることでも判断基準を間違えて処分すると犯罪者になりかねない。
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災害廃棄物の取り扱いについては、国土交通省や環境省から文書が出ており、別には「令和元年東日本台風、平成30年7月豪雨を受けて」と題し40ページあまりの事例集が令和2年3月に国土交通省から発行されている。
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これら発行時にも、「今後このような災害が多発することが想定される」としている。これは、同様な災害が発生した際に、宅地等に堆積した土砂、ガレキの撤去に携わる人達が「体積土砂排除事業をスムーズに活用」できるようにまとめた資料としている。
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災害から発生する堆積物の処理については、土砂と廃棄物混じりの土砂の区分が明確であり、排出時点で分別され搬出されているので、各自治体も指導については混乱をきたしていない。
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今回の記事は、「残土と汚泥の判別」が的確になされているのかということである。それは、建設汚泥なのか、建設残土なのか、曖昧土砂なのか、見た目では判断できないものが堂々と残土処分場へ送られているということだ。
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建設汚泥は現場で発生した時点で区分される。性状によって決まるとなっている。都市部における地下鉄工事、地下高速道路、下水道などで使用されているシールド工事、アースドリル工法において性状がドロドロとなった状態(含水比が高く、粒子が微細な泥状で標準ダンプに山積みできなく、人がその上を歩けない)であるとし、土砂か汚泥かの判断は、発生時点でするとしているのが環境省の見解となっている。
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掘削工事に伴い発生する掘削物が「汚泥」に該当すれば「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」が適用され産業廃棄物となり、残土又は浚渫土砂に該当すれば廃棄物処理法規制対象外であるとされている。判断区分については廃棄物処理法の改正などにより工法別の判断基準が新工法の採用や工法が複雑になり、発生の泥状に固化材を混ぜ固形化したものを残土としている場合も見受ける。
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一般的に「土砂を改良したものは土砂、汚泥を改良したものは汚泥」といわれるように、発生時点で汚泥と判断されるものについては、たとえ 現場内で石灰改良などを行って、搬出時点には泥状を呈さなくなったとしても廃棄物処理法上は産業廃棄物とみなされ汚泥としての処理が必要である。
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汚泥を改良したものを他現場で盛土材に利用する(自ら利用)ようなケースにおいては、あくまで産業廃棄物の利用とみなされ、個別指定制度や環境大臣認定制度に基づく利用でなければ違法行為となる。
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自治体によって判断が異なる場合があるので、排出者は管轄する自治体の所管部署で確認しないと違法投棄に問われる事があるので気を付けなければならない。
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平成15年3月に大阪府・大阪市・堺市・高槻市・東大阪市が「掘削工事に伴う汚泥と土砂の判断区分について」という文書を発行し判断区分を示した。一番わかり易いので内容を掲載する。
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建設汚泥が発生する工法として以下の4工法が挙げられている。

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大阪府・市の文書では、掘削物が汚泥か土砂かを判断する考え方の基準を次のとおり定め、これらの要件を勘案して区分することが適当であるとし、
判断する時点
掘削工事等によって生じた掘削物を工事現場から「搬出する時点」ではなく「発生した時点」の性状での判断である。
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判断する段階
「発生した時点とは」掘削工事の高低から排出される時点であり、水を利用し、地山を掘削する工法においては、発生した掘削物を元の土砂と水に分離する工程までを、「掘削工事」としてとらえ、この一帯となるシステムから排出される時点で判断することとなる。
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また、掘削物に脱水、乾燥、薬剤添加等の処理を施すことは、産業廃棄物を減量化、安定化させる処分であり、これらの処分工程は一帯の施工システムに含まれない。よって、処分する前の段階で判断することとなる。
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なお、汚泥の脱水施設、乾燥施設、焼却施設は施設の規模により廃棄物処理法に基づく設置許可が必要である。
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性状の変化と判断
当初発生した段階で「汚泥」であるものは、人為的に付加価値を高め処理した物が強度的に旧建設省が示す数値(平成3年建設省令第20号)をクリアしていても、他人に有償売却できる性状のものとしない限り依然として産業廃棄物たる「汚泥」である。