中国ロケット:連続・打ち上げに失敗!

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長征3号B・通信衛星とともに落下!
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中国国営新華社通信によると、インドネシアの通信衛星を搭載した中国の「長征3号B」ロケットが4月9日夜、四川省の西昌衛星発射センターからの打ち上げたが、飛行途中でロケットの3段目に異常が生じ、通信衛星とともに落下。中国は3月16日に次世代主力ロケット「長征7号」打ち上げに失敗したばかり。
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ロケットの1~2段目は正常に機能したものの、最終段となる3段目に何か不具合が起こった模様で、ロケットは衛星とともに大気圏に落下、消滅しました。
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米国ではグアム国土安全保障省の民間防衛局などの関係者が、マリアナ諸島上空に落下する火球を観測しており、これが中国の衛星打ち上げロケットである可能性が高いことを確認。その後中国のSNS微博(Weibo)にはロケットの打ち上げの動画が、Twitterにはグアムで撮影された火球の動画がそれぞれ投稿され、中国新華社通信が、長征3号Bの3段目ブースターに不具合が発生し落下、インドネシアのPalapa N1(別名Nusantara 2)が失われたと報じました。
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搭載されていた通信衛星は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加するインドネシア周辺国に通信や放送のサービスを提供する予定だった。中国は、各国の衛星打ち上げを肩代わりするなど、宇宙分野でも影響力の拡大を図っている。
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失われたインドネシアのPalapa N1衛星は、2009年3月に軌道投入されたPalapa D衛星の代替機でした。皮肉なことに、Palapa Dの打ち上げの際にも長征3号Bロケットは3段目でトラブルを起こし、衛星を予定よりも低い軌道で放出してしまいました。Palapa Dは衛星が備えるスラスターの噴射でなんとか軌道にたどり着くことができましたが、スラスター燃料の消費は衛星としての寿命を15年から約10年に縮めてしまいました。また長征3号Bロケットは2018年と2019年にも地上に落下して山村の民家を直撃した例が報じられていた。
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「長征3号B」は中国が20年以上運用しているロケットで、今年3月上旬には独自の衛星測位システム「北斗」の運用に用いる衛星を載せ、打ち上げに成功した。
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中国が打ち上げた「長征3B号」ロケットのブースター部分が、四川省西昌市の西700km前後の山村付近に落下しました。
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あまり報道はされていないものの、SNSに投稿された動画を見る限りかなり危険な状況だった模様です。長征3号の燃料は発がん性のあるUDMH(非対称ジメチルヒドラジン)燃料を使用しており、うかつに近づくと皮膚がただれたりする危険性もある。
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新しい長征5号および7号ロケットについては、南シナ海の海南島にある打ち上げ施設を使用して打ち上げるようになっており、ブースターは海に落下するようになっています。ただ、長征5号は昨年打ち上げに失敗していることもあり、「今後もしばらくは実績ある長征3号を使い続けるだろう」としている。
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中国では今回の打ち上げの2日前に打ち上げた長征2Dロケットからも、地球観測衛星「高景一号」を収めていたペイロードフェアリングの一部が、湖北省の畑に落下しています。
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中国の打ち上げ失敗と同日に、NASAから1人ロシアから2人の飛行士を乗せたソユーズ宇宙船も、ISSに向けて打ち上げられ、こちらは問題なく軌道に到達し、ISSへのドッキングも無事に果たしている。
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