ポスト安倍:安定と挑戦の強力な布陣とは!

.
13人の新大臣が起用されたが!
.
1年後には何人居なくなるか!
.
.
安倍内閣も長期となって、国民に飽きられてきたことは本人も十分承知のことだろう。ポスト安倍は安部と行きたいところだろうが、細田派以外の派閥はOKとは言い難い。読売新聞の9月16日の世論調査で、「次の首相にふさわしい自民党の政治家」に小泉進次郎、石破茂、河野太郎、菅義偉、岸田文雄、野田聖子、茂木敏充の順となった。不思議なことに3番目に安倍首相の名が挙げられている。
.
実績も何もないが女性人気に引きずられトップに出た小泉進次郎だが、環境大臣になったら、いきなり東電福島第1原子力発電所の事故に伴う汚染水を浄化した「処理水」を海洋投棄という私的発言をした、前環境大臣の言葉を訂正するために福島に出かけ謝罪会見をした。いま保管されている「処理水」がどのような性質のものか、同様の水処理を海洋投棄している例はあるのか。東電の「処理水の分析表」を見たことがあるのか、環境省内の従来の方針はどうだったのかなど、全部承知の上での謝罪発言なのか、発言の背後に裏付けが見えないところに軽さが見える。
.
これらの件については別項で掲載する。
.
ポスト安部の件について、週刊ポスト10月4日号に、この顔ぶれから、安倍周辺ではこんな声があがっている。「まるで第1次菅義偉内閣じゃないか」。政治アナリスト・伊藤惇夫氏が語る。
.
「閣僚の人事権は総理にあるが、今回は菅官房長官が大きな影響力を行使したのが目立った。側近の河井克行・法相、菅原一秀・経産相を起用しただけでなく、安倍首相が入閣見送りに傾いていた小泉進次郎氏を環境相に押し込み、外相交代が決まっていた河野太郎氏を防衛相に横滑りさせたのも菅さんの意向でしょう」
.
新大臣は「安倍人脈」(萩生田光一・文科相、西村康稔・経済再生相、衛藤晟一・沖縄北方相)らと、「菅人脈」の河井、菅原、小泉、河野各氏らにはっきり色分けされ、菅人脈のほうが重要ポストを得た。
.
自民党の役員人事でも、菅氏は“安倍構想”をひっくり返した。安倍首相は80歳と高齢の二階俊博・幹事長を交代させ、後任に岸田文雄・政調会長を昇格させる人事案を考えていたとの見方もあったが、「岸田後継」へのレールが敷かれることを嫌った菅氏が二階氏の続投を強く推し、“岸田幹事長構想”は潰れた。
.
菅氏が思い通りに人事権を行使したように見えることが安倍側近には“第1次菅内閣”と映っている。しかし、安倍首相と、「影の総理」の菅氏の力の拮抗は、そのまま政権の不安要因にもなる。
.
新内閣は「挙党態勢」どころか、発足するなりスキャンダル情報が乱れ飛んで不穏な空気に包まれた。最初に“火の手”があがったのは菅氏の足元からだ。
.
「全く問題ない」。改造翌日の記者会見で菅氏は、側近の河井新法相が過去に元秘書から傷害罪で告訴されたと以前に『週刊文春』で報じられていたことを質問されると、そう一蹴してみせた。背後には岸田派との深い確執がある。
.
「7月の参院選で菅さんは岸田派の牙城・広島から出馬した河井法相の妻・案里氏の応援に入って当選させ、そのあおりで岸田派の重鎮・溝手顕正氏が落選した。岸田派はそれを恨んでおり、河井事務所をクビになった元秘書からスキャンダル情報を集めているとの情報がある。菅さんもそんな動きを予想しており、会見でも最初に“過去のことは身体検査で問題なかった”とあえて強く否定していた」(菅氏に近い議員)
.
その直後、今度は岸田派の新大臣、北村誠吾・地方創生相から失言が飛び出す。大臣お披露目に戻った地元・長崎でダム建設への反対運動について、「誰かが犠牲(になり)、人のために役に立とうという精神で世の中は成り立っている」と発言して批判を浴びた。
.
「今回は一発退場レベルではないが、菅さんは岸田派の大臣が問題を起こせば交代させる構えだ」(同前)
.
改造の余波は二階派vs麻生派の対立も深めている。警察庁を管理する国家公安委員長(国務大臣)に就任して驚かれたのが武田良太氏だ。幹事長特別補佐を務めた二階氏の側近で、地元・福岡では県知事選をめぐって麻生太郎・副総理兼財務相や麻生派県議たちと激しく対立してきた。
.
「オレが国家公安委員長、これは大きいよ。地元の県議団が相当びびっとるらしいな」
.
武田氏がそう嘯いていることが地元紙(西日本新聞9月15日付)に報じられると、地元政界に衝撃が広がった。
.
「武田と対立してきた県議たちは、ショックを受けている。これまでは麻生さんが副総理の威光で抑えていたが、武田のバックには二階幹事長と菅官房長官がついており、今回は入閣を阻止できなかった。大臣就任で武田がいよいよ地元での麻生派潰しに力を入れてくるのは間違いなく、県政で麻生派と二階派の勢力バランスが逆転すると悲観的な見方まである」(地元紙記者)
.
政権のあちこちで党内抗争をにらんだ一触即発の緊張関係が生じている。
.
以上のような内容だが、9月16日の世論調査(読売)で、内閣支持率は53%(前回より5ポイント低下)と高いが、麻生副総理の留任に対しては、評価しないが55%と高く、他の人事ついては批判率は少ないのは、安倍首相が安全保障にたいし強気姿勢を貫いたのが評価されたようだ。
.
ポスト安部の候補と目されるそれぞれの候補者は、現在の世界のトップに伍して、どのような気概を示せるのか、口先ではなく「国を守る」方針を語ってもらいたいものだ。単に、話せば分かるという言葉では相手国は「弱腰とみて武力で挑み掛かってくる」ことは、歴史がもの語っている。
.
別に戦争をしろと言っているわけではないが、武力を楯に抑止を図ることは大事なことだ。人気だけで、国は治められない。
.
1年で新任閣僚を入れ替える内閣改造をするなら、この程度の陣容でも良いだろうが、そうなると、衆院選はポスト安倍が誰なのかの戦となる。どれを見ても「帯に短しタスキに長し」というところだ。菅官房長官が首相となったら「利権内閣」となることは目に見えている。対米(トランプだろうが)戦略は安倍首相のように、1兆円も、2兆円も米国産品(軍需品)を買うことで関心をもたせるのか、米軍とともに世界で行動するのか。巷の人気者?政治家は腹を据えて米国と交渉できるか、国民は知りたがっているのだが、、、。
.