連帯ユニオンと大阪広域協組の対立!その2

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産別労組ゆえの弱点が今日を迎えた!
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連帯は所詮労働界の愚連隊だ!
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2010年7月2日の連帯による生コンストライキは地場ゼネコン、中堅ゼネコン、大手ゼネコンが次々と生コン価格の値上げに同意し、竹中工務店、鹿島、大林組がはねつけ、圧送協のスト参加により最後の竹中工務店が手を挙げた。
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見た目は、連帯側の勝利には違いないのだが、完全勝利ではない。トドメを刺さず「相手側に体制を立て直す余裕を与えてしまったことは、堤もアリの一穴と言われるような結果を迎えることになる。
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生コンのストは連帯に言わせると「セメントメーカーの値上げには、協同組合としてボイコットする姿勢を見せた。セメントメーカー、商社、ゼネコン対生コン工場、輸送、圧送の協同組合の戦いである」とし、良くも悪くも口頭で値上げを認めさせたという事は、中小業者に対する連帯の存在感をアピールできたことは間違いない。
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連帯は、労働組合の多くは企業別組織であり、本勤や精査や員が対象である。日々雇用や非正規は相手にされず、そのような弱い立場にある生コン関連企業に目をつけ生コン工場が輸送における職員が常に流動的であり、人手不足に目をつけ人を送り込んで、待遇改善を口実に企業交渉をし、話し合いがつかぬと地方労働委員会に救済申立をし、労働委員会と街宣による両面作戦で次々と中小業者を連帯系組合の傘下に収めてきた。
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連帯ユニオンの狙いは、傘下組合に加盟する企業が多くなれば、組合費以外に吸い上げる名目費が多くなり、命令書が多くなれば一時金も多くなる。裏金取得金が多くなることは幹部にとって幸せなことだ。
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連帯は新興宗教のようなもので、「関生の場合は、企業に属していない産別組合。集金は企業に貰っているが、我々は組合員を筆頭に執行部も組合に属している。組合に対しては帰属意識が高く、企業には属していない」と言っている。
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「基本的には中小企業の業者をどんどん事業協同組に組み入れ、企業の自由意思で企業原理に基づいた勝手な動きはさせない。連帯は、中小企業を事業協同組合を通して労組が決定できる力を持つ。すなわち、中小企業間の横の競争も連帯の執行部が抑制してゆく。連帯の中執が政策をだし、その中で既得権を確保し、中小企業協同組合の経営に連帯ユニオンが命令を与えるという事だ」、これが連帯中央執行部、武建一委員長の考えであり、その見本が和歌山体制(連帯本部から連合会へ、そこから各組合、傘下の加盟社へ指示)が見本であり、滋賀県、奈良県そして2018年1月4日認可の京都生コン協組連合会の出発であった。
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2010年7月2日のスト発生から11月17日のスト解除の時点で、連帯はセメントメーカー、商社、ゼネコンとメーカー系列の大阪広域生コン協組に勝利したと大宣伝をしたが、合意内容の具体化の協議と言う時間差が、セメントメーカーの合意無視や抵抗に遭い、以後、苦戦の連続となる。
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2013年1月、大阪府下の生コン価格は下落一方となり、工場出しの標準品で7000円台となった。2010年のストで合意していた内容は、新契約で1万6800円、旧契約で1万6300円である。広域協の新理事長に関西宇部の木村貴洋社長が就任。出荷数量確保と称して、生コンのダンピング販売を大々的に展開。このために価格は下落し、中小企業14社に上る連鎖倒産も起こり、業界の混乱が始まった。連帯は、2月3日の懇談会で「大阪広域協の乱売が他地区にも影響を与えている」と懸念を示した。
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3月下旬の第4回経営者会集団交渉で、連帯側は、「広域協は東京セメントメーカーの直属組織化」しており、労働側要求として輸送・バラ運賃の適正価格への値戻しを要求しても、いまだに「広域協からの指示があれば」などと自ら打開の意思に欠ける経営者会一部企業の弱腰姿勢に対し労働側は採算ストをするぞと口にしても、経営者側は臨時理事会を開き、労使協調による値上げ実施と市場再建への行かい再結集へ全力を挙げると表芽するだけ。
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大阪兵庫生コン経営者会(連帯系)は、連帯と広域協の交渉の窓口であり、連帯系の輸送・バラ・圧送の集金窓口でもある。3月28日の連帯と経営者会の一致点は、正規1万円(日々雇用500円)の大幅値上げ、一時金ン133万円、基金としてm3当たり200円拠出するというもの。
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連帯中執がヤイノヤイノと経営者会を押しても、5月の経営者会での会合でも、席上、各地協組から市況現況や値戻し環境などの説明があったが、いずれも「今般の値崩れ、40社以上の破倒産などの混乱原因」を根本的に総括出来ず、需要減やアウトの存在などに責任を転嫁し責任を取るようなものは一つもない。労働側は、値崩れ原因を労働側に転嫁し「広域協組・現理事者の無責任体制」を問題視したが、ただそれだけのこと。
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6月中旬には、経営者会の役員改選があり、
会長  小田要(員外)
副会長 門田哲郎(TYK高槻生コン社長)
副会長 坪田 健(クリエイト物流)
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7月の段階でも小粋協の姿勢は一向に変わらず、2010年ストの業界申し合せすらムシする理事長に対し、内部役員がそれを問おうとしないと嘆き、対策もなく、お手が得状態が見て取れる。
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8月19日に近畿会合が開かれ、ゼネコンの大型物件の数量5万m3に対し、広域協が常識外の低価格を提示していることなど、業界の自殺行為と厳しく指弾。しかし、ゼネコンは商社が窓口であり、メーカー・商社・ゼネコンの一体連携を視野に入れた対応策も無しに、小手先で檄を飛ばす連帯も、実態を承知なはず。ダラダラしている間に、セメントメーカー側は7月からセメント値上げ1000円を通知。
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大阪広域生コン協組の抵抗は、連帯に取って持て余し気味となり、広域協の時間稼ぎは大阪・兵庫・四国の一部まで影響を与え、労組加盟か・連帯加盟かで迷っていた各組合は、広域協に加盟することを選んだ。
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それは、建設業界の低迷に伴い各地区の生コンシエア競争で、値段が下落傾向にあり小規模組合では生き残りが難しくなってきていた。広域協は連帯と生コン叩き売りの防止も視野に「大同団結」に向けて、環境整備基金として1m3当たり100円の換算で連帯に払う契約を2015年1月に締結した。
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2015年4月1日には、広域生コン協組に阪神地区生コン協組(20社23工場)、大阪レディ美クスコンクリート協同組合(10社14工場)が組合を解散し、各個別に広域協に加盟することになった。この加入で、広域協は府内生コン(120社)の約8割が加入。出荷量も220万m3から460万m3に増加する。
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2017年7月~11月の生コンストは、中小・零細業者の値上げと言う要求で一大ストを決行したが、139日の長丁場はスト参加の各社の経済的犠牲の上で進められたが、連帯ユニオンにとっては実質的な痛手(仕入れがない)は無く、中途半端でも妥結勝利を宣言しても、値上げや条件の実行は遅々として進まず。逆に、広域協から価格競争に追い込まれる始末だ。
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ゼネコンとの値上げ同意は何だったのか。連帯ユニオンの指導は失敗でなかったのか総括もせず、時間だけが過ぎてゆく。結果として、広域協も製造工場の連合体であり、価格が値上がりしなければ「メーカー、商社、ゼネコン」の餌になってしまう条件は連帯と同じ条件だ。
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連帯がゼネコンとの同意で誤ったのは、企業内組合と同じ手法を取って、スト中止をしたところに誤りがある。なぜ、トドメを刺してからスト解除をしなかったのか。産別の失敗の見本と言える。
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第3弾は、2016年の大阪広域生コン協組の新役員改選から、広域協が連帯を標的に闘争を始める。

つづく