世界最大級巡航ミサイル原潜「ミシガン」!

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ポンぺオ米国務長官訪朝で暗に武力背景と見せたのか!
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トマホーク・ミサイル最大154発の能力は大きい!
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米軍最大級の排水量を誇るオハイオ級原子力潜水艦「ミシガン」。弾道ミサイル搭載用に建造されたが、核戦略の見直しにより改造。現在はトマホーク・ミサイル最大154発の搭載能力を持ち、甲板には発射口のハッチが見える。艦体上部に、特殊部隊の小型潜水艇の格納庫がコバンザメのように取り付けられているのも特徴だ。
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ミシガンは、全長170m、排水量1万7000t余りと言う巨艦。海上自衛隊最新の「そうりゅう」型潜水艦が、全長84m、水中排水量4200tと比較しても、その巨艦ぶりが知れよう。
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ミシガンは、その巨体に、最大射程1600km級のトマホーク・ブロックIV巡航ミサイルを最大154発搭載し、連射ができる。最大射程1600kmを単純に地図にあてはめれば、日本の一部太平洋側からでも、平壌は射程内だ。
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2017年4月25日には、北朝鮮の朝鮮人民軍・創建記念日に、韓国の釜山港に入港するなど、潜水艦でありながら唐突に“見える抑止”となったこともあった。
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ミシガンは、8月22日に入港し、トランプ大統領がポンぺオ国務長官の訪朝中止をツイートした時にも、横須賀にいたという。
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グアムのB-52H爆撃機の動き、それに、ウエーキ島を再び、米軍機の給油ポイントにするという動きもあり、再びミシガンが事実上の“見える抑止”の役割を担うのかも知れない。
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8月23日、ポンぺオ米国務長官が記者会見を行い、翌週に平壌入りする予定だと発表。ポンぺオ国務長官の訪朝を前提に米側からの呼び掛けで、日米首脳は日本時間22日夜、40分にわたる電話会談を行い、北朝鮮の完全な非核化に向け、引き続き協力していく方針を確認。
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また、安倍首相が拉致問題の解決に改めて協力を求めたのに対し、トランプ大統領は「日本の考え方に沿って協力していく」と応じた。ところが23日、米国務省のアデナウアー報道官は、ポンぺオ国務長官が、金正恩委員長と会談する予定はないことを会見で明らかにした。
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ポンぺオ国務長官といえども、北朝鮮の最高権力者である金正恩委員長に会えなくて、非核化や拉致問題について、何らかの進展を北朝鮮側から引き出せるのか。ところが、トランプ大統領は24日、「非核化に向けた十分な進展がみられないため、今回の訪朝を取りやめるよう、ポンぺオ国務長官に指示した」とツイートした。
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5月にもトランプ大統領は、6月に予定されていた金正恩委員長との会談を、北朝鮮高官の言動が示す「露わな敵意」を理由に書簡でキャンセルしたことがある。
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その書簡には「あなたは自国の核能力を自慢したが、米国の核能力は非常に大きく強力だ。これらを使わずに済むことを神に祈っている」と米核戦力の使用を示唆。一度は決まっていた米朝首脳会談をトランプ大統領が、まるでちゃぶ台返しのように一方的にキャンセルした。
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すると、北朝鮮側はトランプ大統領の「前例のない努力に敬意を払ってきた」との金桂冠・第1外務次官の言葉を朝鮮中央通信を通じてアピール。6月の会談を再決定した。
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今回は、ポンぺオ国務長官の訪朝とはいえ、やはり前と同じで、ちゃぶ台返しのようなキャンセルの仕方だ。前述のように、5月の書簡では、金正恩委員長に対し、しっかり核の使用を示唆したが、今回はそれはなく、トランプ大統領は「付け加えれば、中国との通商についてのスタンスを非常に厳しくしたため、私は彼ら(中国)がかつてのように(国連の制裁にもかかわらず)非核化の過程を手伝っているとは思わない」
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「ポンペオ長官は近い将来、中国との通商関係が解決された後、北朝鮮へ行くことを楽しみにしている。 その間、私は金委員長に最も敬意を表する。 私は近く彼に会うことを楽しみにしている!」とツイート。中国を非難している。
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米中貿易戦争の最中に、武力を背景としないポンぺオ国務長官の訪朝中止、トランプ大統領の頭の中の作戦は「正常なのか、異常なのか」、単なる感情でキャンセルしたのか、常人では計り知れないところがある。
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