国際平和研究所:核軍備に関する最新報告書を発表!

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世界の核兵器・1万4,000発超!
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米ソで世界全体の約92%を占めている!
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スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は6月18日、世界の核軍備や安全保障に関する最新報告書を発表した。これによると、今年初めの世界の核弾頭数は合計14,465発だった。北朝鮮については、最大20発の保有と推定しているが、技術的な進展を続けているとしている。
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SIPRIが発表した報告書によれば、2018年初めの世界の核弾頭数は、米英仏露中にインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮を加えた9カ国の合計で14,465発となり、米露の削減の取り組みにより、昨年の14,935発から470発減少した。しかし、各国で新たな核兵器システムの開発や、既存の軍備の近代化を図る計画が進行中であるという。
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米国は2017年の6,800発から2018年は6,450発に、ロシアが7,000発から6,850発へと、少しずつ数を減らしたものの、両国でなお世界全体の約92%を占めている。米露の削減の取り組みは、2010年に合意が成立し、翌年発効した「新戦略兵器削減条約(新START)」に沿ったものである。
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SIPRIは「核兵器の限定的な削減にも関わらず、ロシアと米国については、ともに核弾頭やミサイル、航空機による運搬システム、核兵器の生産施設などを刷新し、近代化する長期的な計画が進行中である。」と両国の現状を説明している。
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米露以外では、英国が215発、フランスが300発とこの2カ国は昨年と同数だった。中国は280発、インドは130~140発、パキスタンが140~150発で、これら3カ国は昨年からそれぞれ10発増となっており、アジア地域での軍拡が進んでいる。イスラエルは80発で昨年と同数だった。
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北朝鮮は10~20発で昨年と同数と推定されているが、世界全体の数には含められていない。昨年9月に水爆実験の成功を発表し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する性能を向上させるなど、引き続き核兵器の開発で技術的な進展が見られるとしている。
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SIPRIの軍縮・武器管理・非拡散部門のシャノン・カイル上席研究員は、「核兵器禁止条約が昨年採択され、核軍縮に国際的な関心が高まっているのは明らかだが、それにも係わらず、核保有国が核の近代化計画を進めており、核軍縮への真の進展は、依然として遠い目標のままであろう。」と指摘した。
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