総務省:電波利用料の見直し!

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携帯通信会社・大手3社で512億円負担!
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NHKおよび民放5局・合計は46億円強!
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2013年、総務省は電波利用料の詳細を初めて公開した。08年に河野太郎衆議院議員は総務省に「テレビ局ごとの電波利用料の負担金額を出してほしい」と要求したが、総務省の担当課長は「個別の負担金額は開示しておりません」と答えた。河野氏が「どうして出さないのか」と尋ねると、その課長は「テレビ局のプライバシー」だと答えた。
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テレビ局全体の電波利用料負担は、総計で34億4700万円にしかならないのに対し、営業収益は3兆1150億8200万円もある。
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電波を使っている携帯電話会社も支払っており、全額通話料として携帯電話ユーザーに転嫁されている。具体的には、携帯電話1台につき年200円だが、携帯の支払い明細書に「電波利用料」という記載がないので、利用者が知らないのも無理はない。
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12年度の電波利用料収入は約715億円の見通しで、内訳は携帯電話事業者が72.3%なのに対し、放送事業者はたったの7.2%である。NHKは電波利用料を受信料に転嫁しているし、民放は企業が支払うCM料に転嫁している。つまり、電波利用料のほとんどは、携帯電話を使っている消費者が負担していることになる。
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安倍政権に交代するや、新藤義孝総務相は「今国会に(オークション導入の)法案を提出することはない」と言明し、電波オークションを葬り去ってしまった。
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民主党政権下で電波オークション導入を提言した大阪大学の鬼木甫名誉教授によれば、現在テレビが占拠している帯域も含めてすべてをオークションにかけたとすれば、30兆円以上の価値があると言われる。
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総務省も本音はオークションをしたくない。電波利用料は税金ではないため、財務省による再分配の対象とはならず、形の上では一般会計の総務省予算になっている。電波法によって使い道が決められている特定財源であり、全額が総務省によって使われる。総務省の「隠れ特別会計」との指摘もあり、総務省が自分たちの裁量で使える予算なのである。もし、オークションが導入されていたら、総務省はこの貯金箱を失い、財源を財務省に取られていたとの声もある。
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11月10日からは総務省の電波有効利用成長戦略懇談会の議論でオークションが俎上にのった。
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総務省の「電波利用ホームページ」によると、電波利用料の負担額(平成28年度)は、「携帯電話、BWA、PHS事業者」で、NTTドコモが約208億5400万円、KDDIが約136億5100万円、ソフトバンクが約167億8100万円と、大手3社だけで512億円以上を負担している。
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、「地上テレビジョン放送事業者」を見ると、日本放送協会(NHK)が約22億2100万円、日本テレビ放送網が約5億1400万円、TBSテレビが約4億9200万円、フジテレビジョンが約4億6900万円、テレビ朝日が約4億8600万円、テレビ東京が約4億7000万円となっており、NHKおよび民放5局の合計は46億円強だ。前述した大手携帯キャリア3社の約11分の1の水準である。
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通信会社の負担トップのドコモと放送のトップのNHKの電波利用料を見ても、NHKの負担はドコモの9分の1くらいだ。電波オークションの導入で負担割合が増える放送局は、反対するが、理由は既得権益を失うことになるからだ。
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携帯電話会社 6社


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放送事業者 128社


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総務省のHPには、見直しについて次のように掲載されている。
電波利用料制度は、電波法の規定により少なくとも3年ごとに見直しを行うこととされており、平成29年度は見直しの時期に当たります。
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平成29年度の見直しについては、平成28年1月より「電波政策2020懇談会」(座長:多賀谷 一照 獨協大学法学部教授)を開催し、同年7月、「電波利用料の見直しに関する基本方針」を含む同懇談会報告書を公表した。
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同基本方針を踏まえ、次期電波利用料の料額算定における考え方について、パブリックコメントを経て、平成29年1月に「電波利用料の見直しに係る料額算定の具体化方針」を策定しました。
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同具体化方針に基づいて電波利用料の見直しを行い、改正電波法が平成29年4月に成立し、同年10月から見直し後の新料額を適用した。
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