トランプ政権・今週公表:関税対象・中国製品リスト!

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米国の思惑通りに事は運ぶのか!
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日本・レーガン時代の鉄鋼と自動車の自主輸出規制!
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トランプ政権は、進出した米国企業に技術開示を強要する中国への対抗措置として、新たな関税の対象となる中国製品リストを今週公表する。世界の2大経済大国による貿易摩擦が一段と高まりそうだ。
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トランプ大統領が表明した500─600億ドル(5兆2千~6兆3千億円)相当の中国製品に対する関税は、中国政府による製造業振興策「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」の恩恵を受けている先進情報技術(IT)製品などが対象となるとみられている。
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実際に輸入制限の効果が出るまでに2カ月程度かかる可能性があると、政権幹部は語る。
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トランプ氏が3月22日に署名した大統領覚書は、4月6日までに米通商代表部(USTR)がリストを公表するよう求めている。
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今回の新たな関税導入は、米国の知的財産が中国企業へ「非経済的」な移転を強いられているとURTRが分析する、現行の中国政策に対して変更を迫る狙いがある。
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関税導入の根拠となる米通商法301条に基づいて実施されたUSTRの調査では、合弁義務や不公平な技術ライセンス規則、米IT企業買収への公的資金拠出、さらにはあからさまな窃盗を通じて、中国が組織的に米国の知的財産を横領しようとしたと指摘している。
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中国側は、法律は技術移転を義務付けていないと否定。米国の関税に対し、独自の貿易制裁で報復すると脅している。米国産の大豆や航空機、重機などが対象となり得る。
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中国政府は1日、トランプ政権が3月発表した鉄鋼とアルミニウムに対する関税への対抗措置として、冷凍豚肉やワイン、一部の果物やナッツなど128品目の米国製品に、最大25%の追加関税を課すことを発表した。
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トランプ米政権のナバロ通商製造政策局長は先週、通商法301条に基づく関税は、「中国製造2025」政策の恩恵を受けている製造業に集中すると述べた。同政策は、先進テクノロジー分野などの輸入品を、国産品に置き換えることを目標にしている。
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「私の見るところ、中国は厚かましくもこの『中国製造2025』を打ち出し、世界に対して『今後発展する産業は全て中国が支配する。あなた方の経済には将来がない』と宣言した」と、ナバロ氏はブルームバーグ・テレビジョンに語った。
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「知的財産の窃盗と移転の強要を対象にした301条は、まさにこういう事態に対応できるよう作られたものだ」と、同氏は付け加えた。
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「中国製造2025」振興策では、IT、ロボティクス、航空機、船舶工学、高度な鉄道設備、新エネルギー車、発電設備、農業機械、医薬品、先進材料など10分野において、輸入品を中国製品に入れ替えることを目指している。
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「さまざまな手段を用いた外国技術の入手は、『中国製造2025』の重要課題だ。中国は、依然として多くの重点推進分野で他国に追いつこうとしている段階にあるからだ」と、USTRは今回の課税理由を説明している。
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ライトハイザーUSTR代表は、テクノロジー分野における米国優位を保つことは、「米経済の未来だ」と発言している。
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課税リストには衣類や靴などの消費財が含まれる可能性があるとも報じられており、米国の複数のビジネス団体が、米消費者の負担が大きくなるとして強硬に反発している。
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トランプ大統領が対中関税計画を表明して以降、トランプ政権と中国政府の間では幹部間の接触が持たれているが、関税を回避するための集中交渉が行われている形跡は見受けられない。
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「米政権は、1980年代の日米貿易摩擦の前例に倣おうとしている」と、某IT業界幹部は言う。「まず官報で特定の品目への課税を発表し、それから60日以内に交渉で合意を模索するのだ」
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レーガン政権時代にUSTR次席代表を務めたライトハイザー氏は、当時同様の戦術を使って、日本政府に鉄鋼と自動車の自主輸出規制を受け入れさせた。
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アジアとの通商交渉を担当したウェンディ・カトラー前USTR次席代表代行は、USTRが指摘した広範な知的財産の横領疑惑を解消するには、中国産業政策の大幅な転換が必要になると指摘。その場合、60日で合意に達するのは現実的ではないだろうと言う。
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「このような大がかりな関税や投資制限を課すことがないよう、わざわざクリアするべき要件を高い水準に設定したのだと思う」と、カトラー氏は話した。
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こう並べてくると、安倍首相の訪米が4月17~20日に行われるが、対等交渉になるのか、押し付け交渉にひれ伏すのか、安倍首相の真の外交力が試される。
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