公取委・農水省発注工事:談合でゼネコン18社を立入り!

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総額約500億円の国直轄の復旧工事!
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農林水産省東北農政局が発注した土木工事をめぐり、談合した疑いが強まったとして、公正取引委員会は4月4日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで鹿島、飛島建設(東京都)やフジタ(同)、青木あすなろ建設や、りんかい日産建設などゼネコン18社を立ち入り検査した。
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関係者によると、各社は東日本大震災で被災した農地や水路の復旧工事などをめぐり、事前に落札者を決めるなどしていた疑いが持たれている。
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農林水産省東北農政局が発注した農業土木工事の入札で談合をしていた疑いがあるとして、公正取引委員会は4日午前、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、ゼネコン18社の東北支店や本社などに立ち入り検査を始めた。東日本大震災の復旧事業を中心に、事前に受注を調整していた疑いがあるという。
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各社は同農政局が発注した農業土木工事で連絡を取り合い、事前に落札業者を調整して、決めた業者が落札できるよう談合していた疑いがあるという。検査の対象となった業者は主に、東日本大震災後に同農政局が発注した総額約500億円の国直轄の復旧工事にかかわっていたという。
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農地の区画整理や排水路の整備など農業土木関連工事は地方自治体も担うが、大規模なものは国が発注して事業を進める。また、東日本大震災後は特例法などにより、被災の対応に追われた現地の自治体に代わって国が直轄で一部の復旧事業を行ってきた。農地や排水路の復旧のほか、区画整理事業など多岐にわたる事業で、受注調整をしていた疑いが持たれているという。
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東北農政局によると、東日本大震災による宮城、福島、岩手の3県の農林水産関係の被害額は2兆円超で、農地の流出・冠水面積は約2万ha。うち約7割が宮城県だった。
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談合の疑いがある同局発注の「仙台東災害復旧関連区画整理事業」では、2013年12月~16年3月に計20件の工事の入札が行われたが、入札執行調書によると、平均の落札率は94%と高水準だった。
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東北農政局発注の復旧工事を巡っては、宮城県亘理町での工事で、入札情報を漏らした見返りに飲食や宿泊の接待を受けたとして、山形県警が昨年11月、同局に勤務していた職員を加重収賄の疑いで、落札業者を贈賄容疑で逮捕している。
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立ち入り先は、各社の本社や東北支店など約20か所に上り、公取委は資料を分析し、全容解明を進める。
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鹿島の広報室は「立ち入り検査には全面的に協力してまいります」とコメントした。
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大林組と飛島建設は「詳細な事実関係を確認中」、フジタと青木あすなろ建設は「調査には全面的に協力したい」とそれぞれコメントしている。
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