地震で施工不良発覚:天井剥落・復旧時に複数発見!

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鳥栖市学校給食センター!
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4月の熊本地震で鳥栖市学校給食センターの天井の一部が剥がれ落ちた問題で、市が復旧工事を実施したところ、設計通りに施工されていない箇所が複数見つかったことが分かった。建設工事と別の業者が復旧を請け負い、工事中に見つけた。
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市の聞き取りに対し、建設した業者・今泉建設は設計通りに一部工事ができていなかったことを認めているという。ただ、剥落との因果関係は現時点で不明で、市は第三者機関による調査を検討している。
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16-09-11-imaizumi

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給食センターは鉄骨2階建て。天井は高さが6mを超える「特定天井」と呼ばれるもので、東日本大震災を教訓に文部科学省が定めた天井落下防止のための手引に基づいて施工し、2014年8月に完成した。国の手引は天井板と壁の間に原則6cm以上の隙間を設けるように規定しており、設計図でも指示されていた。
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市は、熊本地震の本震が起きた4月16日朝の点検で、玄関や調理室などで天井板の一部が剥落しているのを確認し、仮復旧後に調理業務を再開した。
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復旧工事は7月19日に始まり、天井板が一部で壁にくっついていたり、6cm未満の隙間しかない箇所があったりしたため、請け負った業者が市側に伝えた。
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天井剥落を巡っては、6月市議会一般質問で「震度4程度の揺れで剥落するのか」と疑問の声が上がっていた。管理する市教育委員会は原因について「地震による横揺れに加え、上下動が生じたため、天井板と回り縁が衝突や接触をしたから」とし、「国の基準に沿って適切に設計、施工された」と説明していた。
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今回の指摘を受け、市が施工業者から聞き取った結果、一部で設計図通りに工事をしていない箇所があることを認めたという。市は専門機関に調査を依頼した上で、市の監督責任を含めて検証する方針。
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市内の小学校は本年度から2学期を8月25日に前倒ししており、26日の学校給食再開には応急処置で対応。本格的な復旧工事は、検証を終え、原因と責任を明確にした後になる見通し。橋本康志市長は「市のチェックの甘さもあったかもしれない。まずは天井剥落の原因を明らかにしたい」と話している。
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給食センターは蔵上町にあり、用地費を除く事業費は約15億円。市内8つの小学校に約5300食を提供している。
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学校給食センターの天井の一部が破損し、施工不良が見つかった問題、橋本康志市長は9月8日の市議会一般質問で、7月下旬に施工不良を確認してから公表するまでに約1カ月かかるなど市の対応が遅れ、復旧工事も遅れたとして謝罪した。
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市は7月23日に天井ボードと壁の間に必要な6センチ以上の隙間がないことを確認した。直後に隙間を作るため天井ボードを切断する作業を、建築時の施工業者に一部行わせた。尼寺省悟市議(共産)が、1カ月も公表しなかった理由や、隙間を作る工事は「隠ぺい工作ではないか」とただした。
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江嵜充伸市教育次長は、隙間不足が判明後、建築当時の施工業者や施工監理業者と現地確認し、対応策の検討に時間を要して「公表が遅れた」と釈明した。天井ボードの切断作業については「隠ぺい工作との指摘を受ける節もあるが、その意図は全くない。誤解を招く判断を申し訳なく思っている」と答えた。
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業者が施工不良を認めたと市が説明してきたことに関し、橋本市長が「市側からの指摘について業者から明確な異論が無く、認めたと類推した」と答弁したため、市議が「納得できない」と反発し議事が中断。約70分後再開し、市長が「市の指摘に対し、施工業者から『異議はない』との発言があっている」と修正した。
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