埼玉県議会・予算特別委:答弁者から知事外す! 

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「多選自粛」破り 「変節」し4選!
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予算委“ 知事不在”の異例!
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埼玉県議会は3月9日から、新年度当初予算案を審議する予算特別委員会で、答弁者から上田清司知事を外す異例の措置を取った。知事と対立する最大会派・自民が主導し委員会のルールを変更した。専門家からは「県民を無視した議会運営」との批判も上がる。委員会は22日まで開かれる。
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埼玉県の上田知事と最大会派の自民党県議団の対立が続く県議会で、平成28年度の当初予算案について審議する予算特別委員会の要綱が見直され、知事が答弁するのは最終日の1日だけに限定されるという異例の事態となっている。
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県議会では、連続3期を超えて知事を務めないよう制定された「多選自粛条例」に反して4回目の当選を果たした上田知事と、最大会派の自民党県議団の対立が続いている。
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去年12月、平成28年度の当初予算案について審議する予算特別委員会について要綱が見直され、知事が答弁するのは最終日の「総括質疑」に限定されました。このため、9日から始まった予算特別委員会では、上田知事は出席できず、それぞれの部局長が答弁する異例の事態となっている。
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自民党県議団は、「上田知事は答弁の際、必要以上に長い説明をするために、事前に用意したすべての質問を時間内に行えなかった。県議会として深い議論をするために今回の見直しに至った」としている。
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上田知事は、「自分の方が部局長よりも分かりやすく説明できると思っているが、県議会が決めたことなので、受け止めるしかない」とコメント。
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初日の9日の委員会では6会派の県議が質問に立ち、県側に各事業の成果目標などをただした。答弁は企画財政部長らが行い、予算の執行責任者である知事は出席せず、別の公務をこなした。
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議会側が「知事の発言封鎖」に踏み切った原因は、昨年8月の埼玉県知事選。上田氏は1期目に自ら提案して定めた「4選自粛条例」に反する形で立候補し、自民県連が推薦した候補らを破って4選を果たした。
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これに対し県議会の自民会派は「条例が廃止されていない以上、4期目の上田知事は存在しない」との解釈で反発した。昨年の9月議会以降、本会議でも知事への質問を控えるなどけん制してきた。
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昨年12月、自民が主導して県議会本会議で予算特別委員会の要綱を「答弁は部長にさせる」と賛成多数で変更した。今回はそれを実行したもので、知事に近い県議も知事に質問できない。これに対し、上田知事は「私の方が部長たちよりうまく説明できるので残念」と話している。
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千葉大の新藤宗幸名誉教授(地方自治論)は「条例をほごにして4選した上田知事が政治責任をとるのが先決で、議会の空白は自民側の問題ではない」と指摘する。一方、同志社大の新川達郎教授(地方自治論)は「議会が知事の政治姿勢をただせないならチェック機関としての役割を問われる。県民には議員がサボっているとしか映らないのではないか」と自民の対応を批判している。
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