韓国・北朝鮮への対応:軍部と政府の食い違い!

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韓国国防長官「北朝鮮の海上封鎖、政府次元で検討」!
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大統領府「議論していない」!
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ソン・ヨンム国防部長官が12月1日、ソウル汝矣島の国会で開かれた国防委員会全体会議に出席し、業務報告をしている。国防長官、国防委会議での答弁が論議に 国防部「安保理決議協力の意」弁明 大統領府「封鎖と遮断を錯覚したようだ」
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ソン・ヨンム国防部長官が1日、北朝鮮による先月29日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級「火星-15」型試験発射に対応し、政府次元で米国の対北朝鮮「海上封鎖」の提案があれば参加する方向で結論を下したと話し、論議が起きている。大統領府とカン・ギョンファ外交部長官はこの日午前、「政府次元で議論されたことはない」と明らかにしたことと対比される。
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ソン長官はこの日、国会国防委員会の全体会議でペク・スンジュ自由韓国党議員の「海上封鎖提案があれば国防長官としてどのような立場を明らかにするのか」という趣旨の質問に対し、「ティラーソン長官のフェイスブックの内容を見て検討したが、そのような時点では韓国が積極的に参加することが正しいと考える」と明らかにした。「米国はまだ公式提案をしていないが、ティラーソン国務長官がフェイスブックを通じてした提案に対して、韓国政府が検討した結果(海上封鎖に)参加するのが良いという結論を出したということか」という共に民主党のイ・チョルヒ議員の質問に対しても、ソン長官は「そうだ」と答えた。ソン長官は「国家安全保障会議(NSC)や汎政府次元の結論なのか」という質問にも「そうだ」と繰り返し確認した。
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ティラーソン長官は11月28日(現地時間)、「(北朝鮮に対する追加制裁に)北朝鮮に出入りする物品の海上輸送遮断を含めなければならない」と明らかにし、一部のマスコミは「米太平洋軍司令部が先月、韓国政府に韓米日対北朝鮮海上封鎖作戦を提案した」という報道を出した。
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だが同じころ、カン・ギョンファ外交部長官は国会外交統一委員会で対北朝鮮「海
上封鎖」と関連して「米国から提案を受けていない」として「(政府次元の)具体的な協
議に入っていない」と述べた。大統領府高位関係者も「政府次元で議論されていないことを確認する」と強調した。
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国防部は、ソン長官発言に関する論議が起きたため「国連安保理決議2375号の『禁輸品積載船舶に対する公海上での検索強化措置』の履行協力に対する発言」と弁明した。大統領府の主要な関係者も「ソン長官が海上封鎖と海上遮断の概念を勘違いし、失言したようだ」と話した。
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「海上封鎖」(naval blockade)は、特定国の海上を武力で封鎖し、外国との貿易や通航などを阻止する措置だ。国際的な制裁措置を履行するため、禁止区域を設定し、出入りする船舶に対する検索や追跡、拿捕などを行う「海上封鎖作戦」とは大きく異なる。大統領府も海上封鎖は実際に可能ではないだけでなく、戦争を前提にした危険な方式という認識が強い。ある大統領府関係者は「海上封鎖というのは、1962年のキューバミサイル事態当時、米軍がキューバ海域全域を包囲し、一切の兵器や物資が入れなくしたものと同じことだ。これは戦争を前提にしたものだ」としたうえで、「今北朝鮮海上を封鎖するには、東海(日本海)と西海(黄海)を完全に包囲しなければならないが、これは事実上不可能だ」と話した。
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