北ミサイル:日本の迎撃・穴だらけ!

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長距離ミサイルは想定外!
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頼みは米軍の迎撃態勢!
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不思議なものだ。1か月ほど前は、加計学園問題とPKO陸自日報問題で安倍内閣はフラフラになり、意に沿わぬが河野太郎を外相、野田聖子を総務相に据え、防衛相でミソをつけた稲田を切り、ベテランの小野寺五典を据えた。
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北朝鮮がアメリカを脅し、グアム基地を狙えるぞと近海にIVBM4発を撃ち込むと騒ぎ、8月26日に日本近海に短距離3発、8月29日には北海道・襟裳岬東方1180kmに落下した。
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立て続けにミサイルが日本周辺に落ち、中露は日本の防御態勢の何処が穴か、迎撃態勢は何%か、推し量っている最中だろう。
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北海道上空をミサイルが通り、Jアラートが東北・北海道で初めて使われ、国民は不安を抱いている。日本が自国防衛に金を使う事に異見を挟まなくなってきたことは、安倍内閣を見捨てるわけには行かないという意思表示の表れでもある。
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小野寺五典防衛相は8月30日、衆議院で臨時に開かれた安全保障会議に出席し、北朝鮮のミサイルを撃墜しなかった理由を説明した。「レーダーを通じて発射の事実を確認したが、日本に落ちる憂慮はないと判断した」と話した。撃墜できたが撃墜する必要がなかったという話だ。
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小野寺防衛相の説明にもかかわらず、日本ではミサイルが日本に落ちる場合に、実際に撃墜する能力があるのか疑問だとし、防衛能力を増強すべきという世論が噴出している。特に、現行憲法の解釈上、攻撃を受ける場合にのみ防御するという「専守防衛」が原則だが、北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃する「敵基地攻撃能力保有論」の主張が保守派を中心に強まっている。読売新聞は30日、敵基地攻撃能力の保有を検討すべきという社説を載せた。菅義偉官房長官はこの日、敵基地攻撃能力保有の検討を尋ねる質問に「現在としては必要な装備を保有することもなく計画もない」と線を引きながらも「今後種々のことを検討しなければならない」として余地を残した。
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日本政府は最近、北朝鮮の威嚇を口実に防衛費を増額し軍事力を強化しつつある。防衛省は来年の防衛費として史上最大の5兆2551億円の予算を最近要請した。予算増加の理由として、中国の海洋進出警戒とともに北朝鮮の威嚇対応を挙げた。主な項目としては、北朝鮮のミサイル撃墜のための陸上型イージスである「イージスアショア」の導入費用とイージス艦に搭載する新型迎撃ミサイルSM3ブロック2Aの研究開発費が入っている。
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民間の研究所を通した軍事技術研究も速度を上げている。防衛省が民間研究所と企業に対し軍事部門基礎研究資金を支援する「安全保障技術研究推進制度」の今年の応募件数は104件で、昨年(44件)の2倍以上だと朝日新聞が報道した。特に企業の応募は昨年の10件から今年は55件に5倍以上増えた。防衛省の支援金は、制度施行初年度の2015年には3億円に過ぎなかったが、今年は110億円に増加した。日本では軍国主義に対する反省から、民間研究を軍事技術に活用することをダブー視する雰囲気があったが、安倍政権になってからは民間基礎科学技術を積極的に軍事技術として活用しようとしている。
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新聞各紙は、意見も様々だが、安倍内閣にとって今は「専守防衛の装備に専念」し、敵地攻撃装備は北朝鮮がICBMを完成させる3年先には防衛と攻撃を完全に整え、日本独自のミサイル開発も完成させようという腹ではないだろうか。
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今の迎撃体制では、複数発なら何とかなるが、北海道、東北、関東、中国、九州、沖縄に同時に複数発撃ち込まれたらお手上げだ。米軍が迎撃に参加しても何処かが犠牲となる。
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今のままなら、防御は穴だらけだ。しかし、国民に適度の危機感を持たせることは、安倍内閣にとっては支持率アップの素になるかもしれない。次の世論調査がどう出るか、、、。
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