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中国の鉄鋼過剰生産・1億トン以上!
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過剰生産を背景にした中国鉄鋼業の「安売り攻勢」が、世界に波紋を広げている。自国産業の苦境を受け、米政府は3月、中国製品への反ダンピング(不当廉売)税の適用を仮決定した。欧州でも対抗策を求める声が強まって1る。
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全米鉄鋼労組(USWA)によると、米業界全体で1万2000人がレイオフされたか、その恐れがあるという。広報担当のR・J・ホフナガルさん(43)は「ここ数年、中国が自国内で製品をさばけなくなり、一段とダンピングがひどくなった」と話す。
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中国は過剰生産で国内で消費しきれない製品の輸出を拡大。その量は日本全体の粗鋼生産量に匹敵する1億トン以上に上り、価格下落によって各国に打撃を与えている。
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米商務省は対抗策として3月、昨年1年で価格が4割近く下落した冷延鋼板について、中国や日本など7カ国の製鉄会社の製品に反ダンピング税を課す仮決定を行った。特に下げ幅が大きい中国製には、最高265.79%もの税率の適用を検討しており、5月にも正式決定する。大統領選の候補者指名争いでドナルド・トランプ氏が中国製品を攻撃して支持を集める中、政府がより厳しい措置を取る可能性もある。
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英国では、2014年の中国からの鉄鋼輸入は前年の2.3倍に急増。欧州製に比べ4割も安い低価格攻勢にさらされている。1万5000人の従業員を抱えるインドのタタ製鉄が3月29日、英国の全事業売却を検討していると表明し、国内に衝撃を与えた。
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同社は過去5年間で総額20億ポンド(約3200億円)もの損失を英国で計上し、「これ以上の存続は不可能」と判断した。ジャビド民間企業・技術革新・技能相は、「産業を守るため可能なあらゆる手段を取る」と表明し、買収先の確保など雇用維持を模索している。
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キャメロン首相は、中国を世界貿易機関(WTO)で先進国並みの待遇を得られる「市場経済国」に認定するよう欧州連合(EU)内で主張してきた。しかし、鉄鋼を中心とする中国の安値攻勢を受けて、域内で反発が広がり始めた。
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中国が市場経済国に認定されれば、中国製品に反ダンピング税を課すのは困難になる。
2月中旬の英国議会の討論では、労働党議員が「ダンピングを防げなくなり、英国の産業が破壊される」とキャメロン首相に迫った。欧州鉄鋼協会など主要産業団体で構成する「イージス・ヨーロッパ」は「中国を市場経済国と認定すれば、最大350万人の域内雇用が奪われる」と主張。製造業に占める鉄鋼業の割合が高いイタリアなども強く反対している。
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EUの執行機関である欧州委員会は、2月にも見込まれていた加盟国への中国の市場経済国認定の提案を先送りした。当面は影響調査などを継続する方針だが、英国で鉄鋼業の雇用問題が噴出したことも、今後の議論に影響する可能性がある。
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