米:INF条約の破棄通告・発表! 

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半年後には条約失効!
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中ロと軍拡競争懸念!
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トランプ米政権は1日、1987年に旧ソ連(ロシア)と結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄を正式表明した。
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ポンペオ米国務長官は2月1日、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約について破棄通告を発表、2日から義務履行を停止すると明らかにした。「核兵器なき世界」に逆行する動きで、軍縮の行方には不透明感が漂っている。条約違反を巡る対立に加え、中国が条約に縛られずにミサイル開発を進めてきたとのトランプ政権の懸念が背景にある。
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条約は2日の正式通告の6カ月後に失効する。記者会見したポンペオ氏は、ロシアが条約違反によって「欧州や米国の人々を危険にさらした」と批判。「ロシアが根本的に態度を変えることを望む」と述べ、6カ月以内に違反を解消するよう要求した。
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米国は核戦力増強を進めるとみるロシアや中国に対抗する姿勢を鮮明にし、軍拡競争を招く恐れもある。
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1日に記者会見したポンペオ国務長官は「ロシアは米国の安全保障上の国益を危険にさらしている。我々は適切に対応する責務がある」と強調した。
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トランプ大統領も1日に声明を発表し、ロシアの条約違反を非難したうえで「米国だけが一方的に条約に制約されてはならない」と主張。「軍事的な対応策の作成に着手する」と表明した。一方で「軍縮交渉に応じる用意がある」とも説明し、ロシアが違反を解消すれば条約にとどまる可能性を残した。
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INF廃棄条約は、冷戦時代後期の1987年に、当時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が調印。翌年に発効した。
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射程500~5500kmの地上配備型ミサイルの開発や配備を禁じたのが特徴だ。特定兵器を全廃する条約は史上初めてで、米ソ対立を和らげて冷戦終結に寄与した枠組みと評価されている。ソ連崩壊後はロシアが継承した。
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米国はオバマ前政権下の2014年、ロシアが条約に違反するミサイルの発射実験を実施したと指摘した。トランプ政権もロシアの新型ミサイルの射程が条約に違反しているなどと主張し、18年10月に破棄する方針を表明した。同年12月には60日以内にロシアが是正しなければ条約破棄の手続きを進めると最後通告していた。
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ロシアのプーチン政権は自らの条約違反を否定して米国を批判し、条約維持を訴えた。ただ、中国が条約に縛られずに中距離ミサイルを開発していることへの懸念は米国と共有する。ロシアは、条約失効の責任を米国に押しつけつつ、配備が可能になるINFを対中牽制などに利用するしたたかな本音を抱いている。
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ロシアは、米国が問題視する新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」について、射程は480kmで条約の対象外だと主張。逆に、米国が欧州で配備を進めているミサイル防衛(MD)システムは「攻撃に転用可能であり、条約違反だ」などと反発した。
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米国が欧州にINFを配備した場合、ロシアは対抗策を取らざるを得ない。その財政負担を避けたいというのが本音の一つだ。同時に、ロシアはすでに、条約が対象としない航空機発射型や海中・海上発射型のINFを有しており、条約失効の影響は限定的だとの見方も強い。
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米ソ冷戦時代に核戦力対峙の最前線だった欧州では、米国の条約破棄方針を危惧する声が強い。実際に冷戦期のような緊張が再現されれば、それは米国への不満にもつながりうる。露軍事情勢に詳しい小泉悠・未来工学研究所特別研究員は「ロシアは条約失効に伴い、米国と欧州の連携阻止や、潜在的脅威である中国への牽制を見込める」と指摘している。
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