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身の丈以上の背伸びが命取り!
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五島産業汽船(長崎県新上五島町)が離島航路を10月2日から突然運休、事業停止状態となっている問題で、野口順治社長(54)が4日、県庁で会見し、来週にも破産手続きに入ることを明らかにした。負債総額は関連会社を含め判明分で21億円。野口社長は島民ら利用者に「突然のことで多大な迷惑をお掛けし、本当に申し訳ない」と謝罪。公設民営で運航していた長崎-上五島(鯛ノ浦)航路の早期再開を新上五島町が目指していることには「最大限協力したい」と述べた。
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代理人の石橋龍太郎弁護士によると、判明している負債総額は同社が17億3千万円、発券業務などを行う関連会社のジィ・エス・ケーが3億7千万円。関連会社を含めた従業員計68人は2日までにほぼ全員を解雇した。
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野口社長によると、2015年に参入した佐世保-上五島(有川)航路が、当初から赤字で約4億円の累積損失を出すなど経営を圧迫。船の修繕費などもかさみ、8月と10月1日に不渡りを出して銀行取引が停止となった。2回目の不渡りについては「債権者に猶予を求めたが延期できなかった」と述べた。
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従業員の9月分の賃金、30日前までに解雇予告をしなかったことに伴う解雇予告手当などが未払いで、国の立て替え払い制度を使う準備をしている。運賃などを支払い済みの利用者に対しては全額を払い戻す意向だが、対象人数や総額は未確定という。
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今後について野口社長は同町に協力する意向を示し、「事業譲渡や港の自社ビルの使用などできる限りサポートしたい」と話した。
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同社は1990年設立。18年4月期決算は売上高が11億6千万円、経常損益は1億1800万円の赤字だった。長崎-上五島、佐世保-上五島のほか、佐世保-五島(福江)を運航し、長崎-熊本県天草でも高速船を試験運航していたが、いずれも1日までに休止、廃止を九州運輸局に届け出ていた。
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五島産業汽船(新上五島町)の野口順治社長は、4日の県庁での記者会見した。五島-佐世保航路を開設するなど、離島住民の期待を背負い、航路を拡大していった同社。新上五島町などに構成資産がある「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録され、交流人口拡大に追い風が吹き始めた直後の経営破綻だった。
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「住民の強い要望」で2015年4月に参入した佐世保-上五島(有川)航路。他社が撤退した赤字路線で、結果的にこれが経営上のネックとなった。
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設備投資なども重くのしかかり、8月中旬に1回目の不渡りを出した。「10月1日午後3時までは債権者への交渉に努めたが、かなわぬ状況になった」。「夜逃げ」との指摘があったことについては、2日以降も関係先と連絡を取るなどして事業継続を模索していたとした。人口減少などで経営環境が厳しくなる中、「30年間に渡り離島航路の運営に懸命に取り組んできた」(野口社長)が、状況は好転しなかった。
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