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異例の年収1億円超も!
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世耕弘成経産相・11月には容認も!
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認めないことでJICは活動休止しにも!
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産業革新投資機構(JIC)が経営陣に対し、高額の成功報酬制度を設けようとしている。JICは法律に基づいて設立された公的機関で、投資資金の大半は国が持つNTT株やJT株の配当などの公的資金が原資だ。公的な側面がある業務を通じて高額報酬を受け取る是非が問われそうだ。
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官民ファンドの源流は、小泉政権時の2003年に銀行の不良債権処理のために設立された産業再生機構(現在は解散)だ。再生機構には「1億円プレーヤー」だった外資系証券会社のアナリストや弁護士ら高額所得者が多く集められたが、年収は2千万円前後に抑えられた。再生機構の元幹部は「事務次官の年収(当時約2500万円)を超えてはいけないという霞が関の暗黙のルールがあった。不良債権処理という公的な使命があったため、転職で収入が減るのは覚悟していた」と打ち明ける。
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JICの前身で、経済産業省が再生機構の組織形態を参考に設立した産業革新機構が、投資に対する成果を役職員に分配する「成功報酬制度」を設けていたことも明らかになった。経産省が14年の大臣告示で、役職員の賞与を業績と連動させると定めたことを根拠に、累積税引き前利益の3%を原資に役員や従業員に成功報酬を分配することにし、13、14、17年度に「役員従業員等特別報酬」を計上した。制度設計にかかわった経産省幹部は「民間の有能な人材は給料が下がると来てくれない。成功報酬がないと雇えなかった」と説明する。
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成功報酬は3年以上の在職者を対象に、各自の業績や貢献度に応じて分配していた。出資したルネサスエレクトロニクスの上場によって3300億円の税引き前当期純利益を計上した17年度は、96億円余の「特別報酬」を計上。90人に21億円を支給した。単純計算で1人当たり約2300万円になる。「一人ひとりの寄与度に応じて払われたが、どちらかというと、上に手厚く払われた」と革新機構の元幹部は打ち明ける。
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JICの報酬制度について田中氏は、優秀な人を集めるには成果主義で報いる必要があるとの考えを示し、4人の代表取締役を対象に固定給、短期業績報酬、長期の業績報酬の3段階からなる報酬制度を導入する考えを明らかにした。田中氏と金子恭規副社長、佃秀昭専務、戸矢博明専務の4人が対象になる。
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JICと経済産業、財務両省が検討してきた案によると、固定給は年1500万円程度。短期業績報酬は半年、四半期といった一定期間ごとに支払う役員賞与のような報酬で年4千万円程度とする。長期の業績報酬は投資収益の20%が原資で、毎年払うものではなく、「5年後か10年後か、投資を回収したとき」(田中氏)に限って支払う。支給条件や上限額(7千万円程度)を設ける方向だ。
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導入されれば、経営陣の報酬は通常は年5500万円程度、年によっては最大1億2千万円程度になる。長期の業績報酬がなくても、省庁の事務次官(約2300万円)や日本銀行総裁(約3500万円)の年間報酬を大きく超える。省庁が所管する団体幹部の報酬が、事務方トップの事務次官を上回るのは異例だ。
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JICが導入をめざす経営陣への高額報酬について、経済産業省は12月3日、認可しないと発表した。世論の理解を得られないと判断したため。官民ファンドと所管官庁が対立するのは極めて異例だ。経産省が事実上、田中正明社長ら経営陣に辞任を迫る事態になっており、9月に発足したばかりの官民ファンドは早くも暗礁に乗り上げた。
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JICは11月の取締役会で報酬規定を決定。11月28日に報酬規定を含めた予算変更を経産省に申請したが、経産省はこれを認めなかった。
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中正明社長ら経営陣の解任も辞さない構えだが、JICの設立や経営陣の人選を主導したのは経産省自身だ。水面下でいったんは高額報酬を認めたのに、白紙撤回していた経緯も判明。経産省の責任も厳しく問われそうだ。
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田中氏は元三菱UFJフィナンシャル・グループ副社長。10月の朝日新聞のインタビューで、代表取締役4人に固定報酬と短期業績報酬を支給し、運用成果の20%を成功報酬として配分する方針を明らかにしていた。新たに採用する幹部社員も「世界の一流に伍する」と述べ、億円クラスの報酬を「期待してくる」と言及。優秀な人材を集めるためには高額な報酬が必要だと強調していた。世耕弘成経産相も11月の記者会見で、「優秀な人材をしっかり確保するための一定の相場観はある」と高額報酬を一定程度容認する考えを示していた。
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経済産業省が、2019年度の産業革新投資機構に関連する予算として要求している1600億円の取り下げや大幅減額を検討していることが5日、分かった。
事実上の活動休止に追い込まれる可能性がある。
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