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流動化処理土・「環境施設」(福岡県筑紫野市)の活躍!
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JR博多駅前の道路陥没事故は、穴の埋め戻し作業の第一段階が11月9日夜に終了した。福岡市は14日には現場の道路の通行を再開させたいとしている。
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福岡市博多区の陥没事故の現場では、9日夜も、セメントや土砂を混ぜたものを投入する埋め戻し作業が行われた。福岡市交通局によると、深さ15mあった穴を3mにまで埋める第一段階の作業は、午後8時ごろまでに終了したという。
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「道路が陥没し、大変なことになってしまった。流動化処理土での埋め戻しを検討している。いつまでに、どれぐらい用意できるか教えてほしい」
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陥没発生から約4時間後の8日午前9時半ごろ、処理土の生産プラントを持つ建設業「環境施設」(福岡県筑紫野市)の営業課長、井久保憲一氏に電話がかかってきた。福岡市のJR博多駅前の道路が、幅およそ30mにわたって陥没したもの。現場は、福岡市地下鉄七隈線の延伸工事中で、トンネル内に地下水が流れ込み、陥没を引き起こしたとみられている。
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9日朝、現場の近くでは、ライフラインの早期復旧のため、関係機関を集めた調整会議が開かれた。
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処理土はセメントや粘土を含んだ特殊な土で、ビル建設などで地質改良に使われる。コンクリートのように固まりやすい性質を持ち、そのため、作り置きはできない。必要に応じて生産するしかない。
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穴すべてを埋めるには7千m3の、地表近くまで埋めるだけで4千m3の処理土が必要となる。「緊急事態だ。新しい仕事は受けるな!」。社内に号令が飛んだ。
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井久保氏は、すぐさまプラントの状況を確認し、運搬するミキサー車確保に走った。8日午前11時半ごろ、「土は午後2時過ぎには現地に持って行ける。搬入車は5~6台は確保した」とJV側に伝えた。埋め戻し作業は、午後2時半から始まった。すべての処理土を運ぶには、延べ1千回近く、ミキサー車で搬入する必要がある。関係者は、あらゆるところからミキサー車をかき集め、ピストン輸送した。
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福岡市・高島宗一郎市長「基本的には、すべての車線が月曜には通行できるよう調整しようという話になりました」
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福岡市では今週中に切断されているライフラインの仮の復旧作業を行い、14日には道路の通行再開を目指すとしている。
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福岡市博多区のJR博多駅前で起きた大規模な道路陥没は、同市の地下鉄七隈線延伸工事が原因とみられる。市は地下の岩盤内を掘り進むトンネル掘削作業中、岩盤の上にある砂の層に含まれる地下水が流れ込んだ「想定外の事故」としているが、七隈線の工事現場では過去2回、道路陥没が起きている。市は事前に行った現場周辺の地質調査で危険箇所は見つけきれておらず、再発防止策が十分だったのかも問われそうだ。
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市交通局によると、現場周辺は大型ドリルで掘り進む「シールド工法」ではなく、より慎重に壁面にコンクリートを吹き付けながら掘削を繰り返す「ナトム工法」で施工していた。
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トンネルは固い岩盤内で掘り進むが、岩盤の上にある砂と粘土の層には、地下水が多く含まれる。ただ、市は10年から、事故が起きた工区195mの計6カ所で地質調査を実施。地下水の影響を受けずに工事できる地層だと結論付けていたという。
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岩盤の一部に砂の層が入り込んでいる部分があり、そこから岩盤層にあるトンネル内に大量の土砂が流入。地中が空洞化し、大規模な陥没を引き起こした-。市はこうしたメカニズムで事故が起きたと推定する。わずかな地質の異変を発見できていれば、事故を防げた可能性はある。
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事故があった工区(195m)は2013年12月に着工。来年内に列車2本が通れる幅まで拡幅を終える計画で、工事は24時間態勢で行われていた。
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事故は突然起きた。9人の作業員が地下25m付近で拡幅工事をしていた8日午前5時、トンネル上部から土砂と水が噴き出し、間もなくごう音とともに地面が崩落した。
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<大成建設>
2016年11月8日、弊社を代表とする共同企業体が施工しております福岡市地下鉄七隈線延伸工事におきまして、博多駅前2丁目交差点付近の道路が陥没する事故により、大変ご迷惑をお掛けしております。
現在、全社を挙げて24時間体制で復旧工事に取り組んでおります。
具体的には、 1.二次災害防止のため、陥没地点の埋戻し復旧作業を行っております。
2.市民の皆様にご迷惑・ご不便をお掛けしております道路やライフラインの早期回復に全力を尽くします。
尚、事故原因につきましては、現在調査中でございます。
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