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金融危機・総額3,600億ユーロの不良債権!
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銀行破綻が世界金融危機につながる!
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英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まった結果、同国経済の見通しは悲観的なものとなった。他の欧州諸国への打撃はより直接的かつ深刻なものになりかねない。そのリスクが極端に集中するのは紛れもなくイタリアの銀行部門だ。
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イタリアでは銀行融資の17%が不良債権化している。この比率は米国の約10倍だが、米国では2008年~09年の金融危機の最悪期でも5%にとどまった。ユーロ圏では上場銀行が抱える不良債権総額の半分近くをイタリアの銀行が占める。
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イタリアの銀行が抱えている総額3,600億ユーロの不良債権は、EUの銀行が抱えている全不良債権の45%、イタリア国内総生産(GDP)の25%に匹敵する。2008年のリーマン・ショックの金融危機から回復していないイタリアの銀行は、その後も不良債権処理が進まず、逆に大幅に不良債権を増やしてきた。
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景気の悪化とマイナス金利で収益性は低下、さらに不良債権が膨らむ傾向にある。銀行は資本不足で、不良債権処理は困難、公的資金による政府救済を待つ破綻状態にある「ゾンビ銀行」と呼ばれてもおかしくない状況にある。
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イタリアの銀行のなかでも、深刻な状況にあるのが、イタリア第3位、1472年に創業した世界最古の銀行、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行 (BMPS、以下「モンテ・パスキ」)である。株価は今週に入り20%下げ、英国のEU離脱後には45%、 2007年の最高値から99.7%も下落している。
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モンテ・パスキは2012年には大型銀行買収とイタリア国債の値下がりによる損失で経営困難となり公的資金による救済を受けた。2013年には、損失隠しのためのデリバティブ取引で損失が発生、2度目の救済を受けている。
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モンテ・バスキの不良債権は2009年の約150億ユーロが2014年には約468.6億ユーロに増加、今では約552億ユーロにまで膨れ上がっている。不良債権比率は41%とイタリアの銀行のなかでは最も高い。
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不良債権処理を進める目的で、モンテ・バスキは700人体制の特別部所をつくったものの、一向に進展が見えてこないことが問題となっている。この危機的状況にECBは4日に、2018年までに不良債権を322億ユーロまで削減するための新たな計画を要請した。
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7月29日には欧州銀行監督局は、EU加盟国の大手51の銀行を対象にしたストレス・テスト(健全性審査)の結果を発表する。ストレス・テストは銀行が次に起きる経済・金融危機に対応できるかを調べるものである。モンテ・バスキは明らかに不合格となるが、他のイタリアの銀行が不合格となれば、銀行への信用は失われ、投資家や預金者の間でパニックが起き、取り付け騒ぎが起きる可能性が高い。
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銀行破綻が起きれば、世界の金融システムの崩壊に向けての連鎖的影響が起きることになる。ストレス・テスト前にイタリア政府とECBが明確な銀行救済策を提示することが重要となるが、モンテ・パスキの破綻は最早避けられない事態にまで来ている。
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