不適切会計・経理の上場企業:最多の58社!

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前年より16社増加!
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東京商工リサーチによると、2015年度の不適切な会計・経理を開示した上場企業は過去最多の58社だったと発表した。14年度から16社増えた。着服や利益水増しなどの粉飾が6割以上を占めた。同社は「企業のガバナンス強化で、子会社や関係会社による不正も多く浮かび上がった」と見ている。
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内容別に見ると、利益の水増しや費用支払いの先送りなど粉飾が22社で全体の38%を占めた。経理ミスなど誤りが20社(34%)、着服が14社(24%)だった。発生当事者別では子会社・関係会社が26社(45%)だった。
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東芝の会計不祥事など大企業による不適切な会計も増えた。市場別では東証1部が13社増の29社と半分を占めた。産業別では製造業が21社(36%)と最多だった。
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<年度別3月の開示社数・2015年度は前年の2倍>
2013年度から2015年度までの3年間で各年度の3月中における開示社数は、2013年度が1社、2014年度は7社、2015年度は14社と2014年度に比べ2倍増と急増した。2015年度の58社のうち、3月に約4分の1(構成比 24.1%)が集中した。
2016年3月、金融庁は会計監査の信頼性確保を提言し指導しており、こうした施策の効果が表れた格好だ。
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<内容別・「粉飾」が最多の22社>
不適切会計の内容(動機)は、「利益水増し」や「費用支払いの先送り」、「代理店への押込み販売」や「損失隠し」など、業績や営業ノルマ達成を目的とした事実上の『粉飾』が22社(構成比37.9%)で最多だった。
次いで、経理ミスなどの『誤り』が20社(同34.4%)、会社資金の『着服』が14社(同24.1%)と続く。
子会社が当事者のケースでは、親会社向けに業績や予算達成を偽装した不適切会計が多い。また、役員らが関与した「役員への不正な利益供与」や「元従業員による会社資金の着服横領」などコンプライアンス意識の欠落した事例もあった。不適切会計の動機は、多様化している。
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<発生当事者別 「子会社・関係会社」が26社でトップ>
発生当事者別では、「子会社・関係会社」が26社(構成比44.8%)で、前年度16社から10社増加した。子会社による売上原価の過小計上や在庫操作、さらには支払い費用の先送りなど、利益捻出を目的とした不正経理、子会社従業員による架空取引や着服横領なども少なくない。
監査の目が行き届きにくい子会社・関係会社で、コンプライアンスが徹底されにくいケースが露呈したといえる。
「会社」は20社(構成比34.4%)だったが、経理処理のミスを指摘されたものが大半だった。「従業員」は、8社(同13.7%)で、着服横領のほか、代理店に対する押込み販売など、営業成績のプレッシャーから架空取引に手を染めたケースがあった。過度の成績至上主義が動機となっているようだ。
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<市場別推移 東証1部が29社でトップ>
市場別では2013年度までは業歴が浅く財務基盤が比較的弱いマザーズ、ジャスダックなどの新興市場が目立ったが、2015年度は国内外に子会社や関連会社を多く抱える東証1部、2部の大手企業に不適切会計が多くみられた。大手企業の子会社で従業員による着服横領や、業績達成のため架空売上・損失隠ぺいなどが目立った。
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<産業別 製造業が21社で最多>
産業別では、製造業が21社(構成比36.2%)で最多となった。卸売業の11社(同18.9%)、小売業の9社(同15.5%)、サービス業の8社(同13.7%)と続いた。
製造業では、インフラや半導体事業で利益水増しを行っていた東芝のほか、代理店に対して押込み販売で売上高を過大計上していた曙ブレーキ工業(株)など、メーカーの国際企業間競争が激化するなか、自社の利益を優先するための不正経理が行われていた。
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