中国:過剰生産企業整理で500万人整理!

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中国全人代・失業対策が焦点に!
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石炭、鉄鋼関連で180万人削減!
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中国は3月5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を開催し、2016─20年の第13次5カ年計画を正式に決定する。景気の減速や国有企業改革に伴う失業問題への対応が焦点となりそうだ。
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李克強首相は政府活動報告の中で、16年の国内総生産(GDP)を含む中国の経済指標目標を発表する見通し。
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中国の経済成長率は2015年は6.9%で、20年強ぶりの低水準となった。アナリストらは今年の成長率が6.5%前後へとさらに減速すると予想。また、一部の中国ウォッチャーは、実際の成長率が既に公式統計よりも大幅に低いのではないかとみている。
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中国人民銀行(中央銀行)は2月29日、全銀行を対象に預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げると発表。緩和サイクルを再開し、過剰生産能力に苦しむ企業の破綻や失業による経済への打撃を和らげるため1000億ドル相当の長期資金を供給する。
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また、中国の尹蔚民・人事社会保障相は同日、過剰生産能力の削減の一環として、石炭・鉄鋼セクターで180万人をレイオフすると表明。いつ実行されるのかなど、時期的な詳細には触れなかった。再配置費用として、向こう2年で1000億元(150億ドル)を拠出すると明らかにしている。
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中国東北部の黒竜江省出身の出稼ぎ労働者は、毎年冬になると北京へ仕事を探しにやって来るが、これまでと比べて今年は職探しがはるかに難しくなっているという。「自分に見合った職を見つけるのは難しい。自分は平均的な労働者にすぎず、北京ではそうした労働者の供給が需要を上回っているからね」と語る。
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中国は都市部の失業率について、ここ数年は大枠で安定的だとしており、景気減速にもかかわらず、2015年末時点では4.05%となっている。
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多くのエコノミストは実際の失業率はもっと高いとみているが、就業年齢人口の安定的な減少につながっている「一人っ子政策」など、いくつかの要因が見かけ上の低失業率に寄与していると説明。雇用喪失を恐れる地方当局が、仕事がないにもかかわらず、「社会の安定」名目で人員削減を回避するよう企業に迫っている実態もあると指摘する。
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中国政府は投資主導型の成長モデルは限界に達したと認めている。産業における過剰設備や高水準債務の大幅削減が喫緊の課題だとしているほか、赤字続きのいわゆる「ゾンビ企業」の根絶も目指している。中国政府はこれら全てを雇用不安に対処しつつ進めなければならない。
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中国共産党にとって、体制を揺るがす社会不安につながりかねない失業は重要な問題だ。数十年に及ぶ経済政策により、両親や祖父母の世代と違って貧困を知らない物質的に豊かな世代の人口も増えている。
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工場が集積する町として知られる広東省常平では、春節(旧正月)休暇を終えて多くの出稼ぎ労働者が工場の生産ラインに戻ってきたが、一方で、「多くの工場が閉鎖されており、今は安定した仕事を見つけるのが難しい」と話す。
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ガベカル・ドラゴノミクスの北京駐在アナリスト、アーナン・ツイ氏は「2015年の出稼ぎ労働者の雇用伸び率はほぼゼロだった。低賃金の労働者にとって良い知らせにつながるような構造変化は見当たらず、経済情勢に連れて雇用は縮小しそうだ」と述べた。
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中国は過剰生産能力と公害対策の一環として、今後2─3年間で「ゾンビ企業」の雇用を500万─600万人削減する。関係筋が明らかにした。
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ある関係筋は、余剰生産能力を抱える業種で500万人を削減するのは約20年ぶりの大規模な人員削減になると指摘した。別の関係筋は削減規模は600万人になるとの見方を示した。工業情報省のコメントは得られていない。
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中国は、セメントや造船など7業界の余剰生産能力を削減する方針だが、最初の関係筋によると、太陽光発電業界はまだ成長の可能性があるため、大規模の雇用削減は免れる可能性が高い。
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