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サウジ擁護鮮明に!
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トランプ大統領・切る決断が出来るか!
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サウジアラビアが自国記者の殺害事件を巡り国際的な非難を浴びる中、ロシアによるサウジの擁護姿勢が鮮明になっている。共に資源大国である両国はこれまでも政策面で協調してきたが、ロシアには欧米諸国との関係悪化を避けられなくなったサウジに手を差し伸べて、中東での影響力拡大を狙う側面もありそうだ。
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ロシアのプーチン大統領は10月25日、サウジのサルマン国王と電話で協議した。国王はプーチン氏をサウジに招いたほか、サウジ人記者のジャマル・カショギ氏殺害事件についても説明したという。
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一方、両国の経済面の関係拡大も目立つ。サウジの首都リヤドでは23~25日に国際投資会議が開かれたが、事件の影響で欧米の招待客の欠席が相次いだ。しかし、ロシア政府系の「ロシア直接投資基金」のドミトリエフ理事長は席上、「サウジは偉大なパートナーだ」と唱えた。
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サウジもロシアへの大型投資で応える。ファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は25日、ロシア北部で開発中の液化天然ガス(LNG)事業「北極2」に対し、サウジが30%を出資する方針を表明した。ここ数年のロシアとサウジは原油の減産などで協力を広げており、関係強化に弾みがつきそうだ。
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欧米諸国と関係を冷え込ませているロシアだが、中東では多角的な外交を進める。内戦が続くシリア情勢ではイラン、トルコと協力するほか、シリア・アサド政権と敵対するイスラエルとも協力を維持してきた。また、シリア情勢を巡って、ロシアが主導する首脳会議が27日、トルコ最大都市イスタンブールで開かれる。トルコ、ドイツ、フランスの各首脳が出席する会議で、中東情勢でのロシアのキーマンぶりが目立っている。
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トランプ政権は、対イランに対し経済制裁を再開し敵対姿勢を強めてきた最中に起きた、サウジの記者ジャマル・カショギ氏が、トルコのサウジ領事館で殺された事件が、トランプ氏を悩ませている。
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サウジとトルコはイランに対しては、スンニ派同士の流れであり、シーア派のイランとは対立関係にあるはずが、トルコ、サウジはこの一件では敵対行動に走っている。第1次大戦のオスマン帝国が敗戦によりイギリスとフランス統治に分割されて以来、中東は各国が複雑怪奇な動きをしているし、2015年から続くイエメン内戦ではイランはイエメン北部のシーア派系フーシ派を支援しこの地区を実効支配している。サウジなどシーア派は政府軍を支援し、代理戦争と化している。17年6月にイランに接近したカタールに対し、シーア派の盟主を筆頭にアラブ諸国はカタールに断交を通告した。
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オスマン帝国の分割統治で英仏は民族の分布状況など無視して、線引きをしたことで今も中東に影を落としているのが、イラン、イラク、トルコ、シリアの4カ国にまたがる居住民族が分断されたクルド族は、4カ国の頭痛の種である。中東は、英仏の大国による得手勝手な約束事が実行もされず、今もって引きずっているのが混迷の源である。
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トランプ大統領は、サウジとの武器輸出に関する約束を破棄したとは言っていない。破棄するなら、その武器の購入先は大半がロシアになると思われる。いま、アメリカが自分の歩んでいる道が見えておらず、トランプと言う人間に振り回されているだけではないのか。
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ロシアは、トランプの独走を良しとしない国々と軍事・貿易面で拡大し始めた。言い換えれば、世界のどこでも、いきなり戦火が開かれる状態で紛争が起き続けている。
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