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駆け引き・綱引きは激しいが!
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焦っているのは金正恩!
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トランプ米大統領が北朝鮮への「軍事力行使」に触れた発言をめぐって北朝鮮がチグハグな対応をみせている。朝鮮人民軍の幹部が軍事的な「相応の行動」を警告したかと思うと、翌日には、金正恩朝鮮労働党委員長の側近で対米外交の責任者が「失言なら幸いだ」と非難のトーンを抑えた。
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金氏は非核化をめぐる交渉の期限を年末として米側に譲歩を迫っているが、交渉が妥結するかはトランプ氏の判断にかかっている。発言が不愉快でも反発しすぎてトランプ氏の機嫌まで損ねるわけにはいかないという金氏の苦しい立場を物語っている。
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トランプ氏は12月3日、金氏との関係は良好だとしつつ、「軍事力行使が必要なら使う」と述べた。これに対し、朴正天軍総参謀長は4日の談話で「武力使用は米国の特権ではない」と主張し、米側が武力を使えば、相応の行動に出ると威嚇した。ところが、崔善姫第1外務次官は5日夜の談話で「突発的な失言なら幸い」と前置きし、「計算された挑発だと確認された場合、対抗としての暴言を始める」と通告。対抗措置を「暴言」に引き下げた。
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崔氏は、トランプ氏がミサイル発射を繰り返す金氏を「ロケットマン」と揶揄したことについて、「最高尊厳」である金氏に「比喩法をむやみに用いた」のは「一層不愉快だ」と指摘。金氏はトランプ氏に「まだいかなる(比喩)表現もしていない」と強調し、再度問題発言をすれば、「老いぼれのもうろくが始まったとみる」と嫌みも加えた。
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国連安全保障理事会は4日、北朝鮮の弾道ミサイル発射問題に関する非公開会合を開いた。欧州6か国は会合後、北朝鮮の「挑発的な」弾道ミサイル発射を非難し、対北朝鮮制裁の必要性を再確認した。
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6か国は声明で、「ベルギーとエストニア、フランス、ドイツ、ポーランド、英国は、11月28日のものを含め、朝鮮民主主義人民共和国が弾道ミサイル発射実験を継続していることを深く憂慮している」「(北朝鮮は)今年5月以降、弾道ミサイル発射実験を13回実施し、核開発計画を続けている」と述べた。
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