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42機を導入する計画!
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中期防でF-35Aを27機、F-35Bを18機・計45機を取得!
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防衛省は8月16日、航空自衛隊の短距離離陸・垂直着陸戦闘機(STOVL機)として、米ロッキード・マーチンのF-35Bを選定したと発表した。
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政府は2018年12月に、STOVL機の導入を決定。今年3月15日から機種選定が始まり、企業などから受け取った提案書は、米国政府によるF-35Bのみだったという。防衛省は選定理由について、「必要な要求事項を全て満足しているものであった」としている。
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F-35は、高いステルス性能や高度な火器管制能力を持つ第5世代戦闘機で、通常離着陸型のF-35A、短距離離陸・垂直着陸型のF-35B、艦載型のF-35Cの3種類がある。すでに導入している米海兵隊では、STOVL機であるAV-8B「ハリアーII」戦闘機や、F/A-18「ホーネット」戦闘攻撃機の後継として運用している。
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政府はF-35を147機保有する計画で、42機がF-35Bになる見込み。中期防衛力整備計画(19-23年度)では、F-35Aを27機、F-35Bを18機の計45機を取得する計画。海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」型を改修して事実上の空母化後、F-35Bを運用することを想定している。
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<日本の防衛費(平成31年度・令和元年度)>
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・平成31年度の防衛関係費全般の概要
平成31年度の予算額は5兆70億円と、対前年度比で+1.4%の増加。平成30年度は4兆9388億円。この金額には、SACO関係費、米軍再編関係費のうち地元負担軽減分、新たな政府専用機導入に伴う経費及び防災・減災・国土強靭化のための3か年緊急対策に係る経費を除いたもの。
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SACO(Special Action Committee on Okinawa・沖縄に関する特別行動委員会)を指している。平成7年に沖縄に所在する米軍施設・区域にかかわる諸課題に関し協議することを目的として、日米両国政府によって設置された。
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・防衛関係費の内訳
人件・糧食費が2兆1831億円で、対前年度比▲0.1%減。また、物件費では2兆8239億円で同+2.5%増となっている。
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・防衛関係費の推移
防衛関係費は、平成24年度(2012年度)の4.65兆円(SACO・再編・政府専用機・国土強靭化を除く)を底に増加傾向。それ以降は増加傾向となり、平成31年度には5.01兆円となっている。それ以前の平成14年度(2002年度)には4.94兆円であったが、平成24年度までに4.65兆円にまで減少した。流れが平成24年度に大きく転換。
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・重点的なテーマ
増加を続ける防衛関係費で、どのようなテーマが重点的に予算配分がされているのだろうか。
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宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化
従来の領域における能力の強化持続性・強靭性の強化
こうしたテーマが掲げられている。
宇宙関連経費(弾道ミサイル防衛関連経費の宇宙関連部分除き)として896億円。その中心は「宇宙状況監視(SAA)システムの取得」に260億円で、米軍及び国内関係機関等と連携し、宇宙状況監視の実運用を担うためのDeep Space取得することになっている。
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サイバー領域における能力確保については、サイバー関連経費として223億円、サイバー防衛隊をこれまでの約150名から220名に増員。
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クローズ系の防衛情報通信基盤(DII)に110億円、サイバー情報収集装置の整備に36億円。
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電磁波領域における能力としては、戦闘機F-35Aの取得、戦闘機F-15の電子戦能力の向上など。F-35Aは6機で681億円、その他関係経費(整備用器材等)として、別途407億円が計上。また、F-15の能力向上に2機改修で108億円が織り込まれている。
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・それ以外の主な予算
周辺空域の警戒監視能力の強化のため、早期警戒機(E-2D)9機を940億円で取得。コンパクトな護衛艦(2隻)を951億円、潜水艦の建造で1隻698億円などがある。
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統合ミサイル防空能力の強化として、陸上配備型イージス・システム(イージス・アシュア)の整備で、平成31年度計上額は1757億円(関連経費含む)とされている。
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