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ロシアからの大豆輸入全面的に許可!
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中国も米国以外の輸入先確保!
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7月30日から上海で5月以来の米中の閣僚級貿易会議が再開される。それに先立って中国は米国から数百万㌧の大豆を輸入すると発表した。2018年7月に米国が中国製品340億㌦分に対し25%の追加関税をかけたのに対し、中国も米国から輸入していた大豆などに25%の追加関税をかけたことから、米国からの大豆輸入が減少し、米国では大豆価格が下がっていた。今回の米国からの大豆輸入は、貿易会議で米国からの譲歩を引き出す事をねらったことになる。しかし一方で中国はロシアからの大豆輸入を増やすことにしており、またいつでも米国産大豆の輸入を減少させるための準備を始めているようである。
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7月29日付の『人民日報』(海外版)は中露貿易を拡大するとともに、大豆の輸入を過度にひとつの輸入先に依存するのを避け、国家の戦略物資の安定的な供給を図るために、海関(通関)総署がロシアからの大豆輸入を全面的に許可したと報じている。
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6月5-7日に習近平主席が訪露し、中露は新時代の全面的戦略的パートナーシップを築くことになったが、両国は農業面での協力も拡大し、農業投資を増やすことになった。とくに大豆などの農産物で生産から加工、物流や貿易などの産業チェーンをつくることで協力することになった。統計によると2017/18年度のロシアの対中大豆輸出は80万㌧に過ぎなかったが、これを毎年370万㌧の水準まで拡大する。
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中露貿易の発展は中国の食糧安全保障に有利である。中国は世界の第一位の大豆輸入国であり、大豆の輸入依存度は9割に達している。中国の通関統計によると、2018年の大豆輸入は7.9%減少したとはいえ、8800万㌧を超えている。中国が大豆を増産しようとしても限度があることから、輸入先を多角化して大豆の供給を確保しなければならない。ロシアからの大豆輸入を全面的に開放することは、過度に一つの輸入先に依存するする局面を改めて、国家の戦略物資の供給を保証することに有利である。
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現在中国の大豆の輸入先は米国とブラジルで8割を占めている。本文では米国と名指ししていないが、米国への過度な依存が食糧安保からも好ましくないとして、ロシアからの大豆輸入の拡大を図るとしている。
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