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産廃めぐり府警と京都市の見解が対立していた!
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2月21日の産経新聞に、
産業廃棄物を不法投棄したなどとして、廃棄物処理会社「HIRAYAMA」(本社・大阪市北区)の代表役員が廃棄物処理法違反(不法投棄など)で逮捕された事件で、府警が産廃と断定した木くずやがれきなどの混合物について、処理の許可を出す立場だった京都市が、平山容疑者の逮捕後も「再生砂で産廃ではない」と判断していることを明らかにするなど、府警と市で真っ向から見解が対立する異例の展開になっている。
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府警によると、平山容疑者は平成28年9月~30年4月、解体現場などから出た木くずやがれき、陶磁器くずなどを選別した後に残った混合物を、京都市長の許可を得ないまま、汚泥とともに同市伏見区の処理施設で固化処理。滋賀県内の造成地2カ所に投棄した疑いが持たれている。
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府警は、混合物を掘り起こして構成物質を確認、環境省のガイドラインや他の自治体の判断基準などをもとに産廃と判断した。28年9月からの約1年7カ月で少なくとも473トンの産廃が固化処理され、162トンが投棄されたとしている。1トンあたり15,000円~20,000円かかる産廃の処理費用を免れていたとみている。
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一方、平山容疑者は「市の許可を得て、抽出した『洗浄砂』を固化している」と話し、容疑を否認している。
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市廃棄物指導課も、この混合物について、産廃ではなく選別された「再生砂」と判断して許可を出しており、週2回の立ち入り調査で産廃の混入がないか確認していたという。担当者は「学識者や専門機関による分析でも問題ないとの回答を得ている。産廃ではなく有価物とみていたので、府警の判断には驚いている」と話す。
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同社は、市の監督・指導の下、昭和40~50年代に産業廃棄物が野積みされてできた通称「岡田山」(同市伏見区)の撤去作業を無償で請け負っており、約20年かけて堆積物を処理する計画だった。
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市の担当者は「岡田山の今後の作業の進行などについては、現段階で何も言えない。」と話した。
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3月1日に釈放されており、起訴か・不起訴か成り行きが注目されていたが、3月18日に京都地検は「嫌疑不十分・不起訴と決定」し、㈱HIRAYAMA社長の逮捕は、京都府警の勇み足となって決着した。
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本紙は、㈱HIRAYAMAの社長が逮捕されと事に関し、釈放されるまで論評を避けてきた。それは、京都市が「洗浄砂」であると言葉を出し、「市の許可を得て、抽出した『洗浄砂』を固化している」と明言しているところに引っかかり、記事を出さなかった。
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結果論として、京都府警の逮捕理由は通らなかったが、産業廃棄物処理業者にとっては、行政の指導の元のリサイクル製品でも、警察のとり方次第では逮捕される場合があるという新たな事例が出来たということである。
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㈱HIRAYAMAのホームページの事業紹介に
現代社会における生産技術の向上は様々な製品を生活の場に送り出ししてきました。それによって、私たちの生活は潤いのある、豊かなものになりました。
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その一方で大量生産、大量消費のサイクルは大量廃棄という深刻な廃棄物問題を私たちに投げかけています。近年になり、そのサイクルの見直しの機運が高まってきています。3R(Reduce・リデュース=廃棄物の減量、Reuse・リユース=廃棄物の再使用、Recycle・リサイクル=廃棄物の再生資源化)の考え方も消費者の間に定着しつつあります。
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HIRAYAMAの産業廃棄物処理施設はこの3Rの考え方のもと、あくなきゼロエミッションへの挑戦を旗印に掲げ 、最先端の処理技術を駆使し最終処分廃棄物の減容化に取り組んでいます。
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取り扱い品目
木くず、紙くず、ゴム、ガラス、汚泥、廃プラスチック、繊維くず、金属、石膏ボード、がれき類。と書いてある。
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㈱HIRAYAMAが書いている3R(Reduce・リデュース=廃棄物の減量、Reuse・リユース=廃棄物の再使用、Recycle・リサイクル=廃棄物の再生資源化)は、京都市建設リサイクル推進プラン’16(京都市建設副産物対策協議会)にも詳細が書いてある。
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この推進プランの「推進プラン策定の背景と目的」の中に、 策定の背景 天然資源が極めて少ない我が国が持続可能な発展を続けていくためには,3R(リデュース(発生抑制),リユース(再使用),リサイクル(再生利用))の取組を充実させ,廃棄物などの循環資源が適正かつ有効に
利用,処分される「循環型社会」を構築していくことが引き続き必要である。と書かれてある。
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つづいて、今後,社会資本の維持管理及び更新時代の到来により,建設副産物の発生量の増加が想定されることから,発生抑制,再資源化・縮減,再生資材の利用促進及び建設発生土の有効利用等をさらに図っていく必要がある。とも書かれている。
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推進プランの目標値
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国土交通省の「建設リサイクル推進計画2014」目標値
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このような京都市建設副産物対策協議会(建設局)のリサイクル推進プランに基づき、廃棄物対策課も再利用について指導してきたのであり、京都府においてはリサイクル製品の個別指定制度がないので、3Rの取り組みをしている最中に、異物混入などの手抜きが無いよう指導等を徹底した中で起きた逮捕であっただけに、業界も注目していた。
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不起訴とはなったが、“なぜ”という疑問は残る。あわせて、社長逮捕という企業イメージの不名誉に対する、名誉挽回の機会がないことが残念なことであり、このような事例が起きないために「公益社団法人京都府産業資源循環協会(文会長)」は、「お座なりの講習会を開催するだけでなく、今回の事例を教材とし「当事者の業者や廃棄物対策課から出席願い」注意事項を聞くことも考慮すべきではないのか。
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京都府産業資源循環協会という名前が泣くぞ。
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