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人民解放軍の海外軍事基地の拡大!
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中国の宣言・2049年までに世界第一級の軍事力を保有!
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米中の貿易戦争の先行きが見えないどころか、事態は益々エスカーレートしてきた。4月までは、両国とも合意が近いであろうという楽観論があったが、いまでは米中がお互いに報復関税をかけ合う厳しい状況にある。
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米中貿易戦争は米国が知的財産権の保護を言い出し、第5世代の5Gの米中覇権争いに名を借りた米中ハイテク覇権争いがその本質である。
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5月2日、米国防省は「2019年中国の軍事力に関する報告書
(「2019中国軍事力報告書」)を公表した。 この報告書は毎年発表されていて、国防省が中国の安全保障や人民解放軍(PLA)をいかに評価しているかを知ることのできる極めて制度の高い公的文書である。
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今回の報告書は米中の覇権争いの原因を余すことなく記述している。
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中国の軍事的脅威のみならず国家戦略、科学技術・製造技術、経済、外交、文化などの広範な視点で米国がなぜ中国を問題にしているか、米中激突の理由が理解できる。
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中国の習近平国家主席は、「中華民族の偉大なる復興」を合言葉に世界一を目指した富国強軍路線を推進している。これに対する米国の強い懸念がある。
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習近平主席は、2016年の年初から2020年を目標年とした軍の大改革を実施し、「戦って勝つ」軍の建設を目指している。
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この改革に伴う人民解放軍のロケット軍のミサイル戦力の増強、海軍の水上艦艇や潜水艦の増強、宇宙やサイバー空間での作戦能力の向上、「北極シルクロード」を含む一帯一路構想に伴う人民解放軍の海外軍事基地の拡大などを明らかにしている。
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一方で、この報告書の真骨頂は、非軍事の注目すべき分野、例えば米国の政界・メディア・ビジネス・アカデミアに影響を与え中国の意図を実現しようと影響作戦(Influence Operation)に対する懸念が記述されている点だ。
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これらの軍事的脅威と非軍事的脅威は、米国のみならず日本にとっても切実な脅威であることを気づかせてくれるのがこの報告書である。
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米欧の海軍アナリストは、中国海軍が現在、約400隻の水上艦と潜水艦を保有すると指摘。米海軍大学の2016年の研究によると、その数は2030年までに530隻以上になりうると予想されている。
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これに対し、冷戦終結以来、世界で海上優勢を保持してきた米海軍が保有する水上艦と潜水艦は、2019年1月末時点で287隻(米国防総省)とされる。
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「われわれは長い間、中国を甘くみていた。こちらが手をこまねいている間に、海軍軍備競争を始めさせてしまった」と、米海軍大学教授を務める元海上戦司令部幹部、ジェームズ・ホルムズは語る。
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新しい軍艦の華々しい登場は、習近平が自らの指導力を誇示する強力な武器となる。近代的な空母、駆逐艦、潜水艦の相次ぐ建造を目の当たりにして、中国国民は習が語る「中国の夢」が実現に近づきつつあることを実感する。
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2012年末の就任直後から、習は海軍基地への訪問や流線型の新型軍艦での航海に余念がない。2019年4月、南シナ海で行われた大規模な海軍演習には48隻の艦隊が参加した。国営メディアによると、これらの艦艇の半数は、習氏が政権を握ってから配備されている。
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習の海軍重視は、建国以来の最大規模となった人民解放軍の改革で鮮明に示された。習は伝統的な陸軍中心主義を改め、5つの戦区の一つ、南部戦区を取り仕切る司令いう重要ポストに袁誉柏海軍中将を任命した。陸軍以外の将校としては前例のない抜擢だった。
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予算配分についても、海軍増強が鮮明だ。昨年、軍事情報サービスのジェーンズが米中経済安全保障検討委員会からの委託でまとめた報告書は、中国の軍事支出が2021年までの間に、20215年の1679億ドルから2608億ドルへ55%増加すると予想。海軍向けの伸びはとりわけ大きく、314億ドルから571億ドルへ82%も増えるとみられている。
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現時点では、中国の軍艦の多くは高速ミサイル艇を含む比較的小型の船舶だ。しかし、米国、台湾、オーストラリアの退役軍人らによると、中国の造船所が進水させている水上艦は艦船の規模、品質、能力ともに、外国のトップレベルとの差を縮めつつある。大型潜水艦や原子力潜水艦も急速に進歩しているという。
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習には、海軍を世界規模で中国の利益を守る真のグローバルな軍隊にする、という構想がある。2015年に発表した国防白書は、海軍の活動を「近海」の防衛から「遠海」での作戦に徐々に移行させる方針を打ち出している。
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米国や同盟各国も、中国海軍の台頭、そしてロシアの海軍力復活を座視しているわけではない。
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2017年12月、米国では海軍力を強化して国土を守る法律(Securingthe Homeland by Increasing our Power on the Seas Act、通称SHIPS法)が成立し、主力艦艇を355隻以上保有するという目標が設定された。射程の長いミサイルを早期配備するなど新兵器の開発も加速している。米国の主要同盟国である日本、韓国、オーストラリアも、新型の艦艇や潜水艦を導入し海軍力の強化を図っている。
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中国の退役軍人や共産党指導部と関係のある人々は、中国の海軍力は本来、防衛が目的であり、米国の敵対行為に対抗するために増強が必要になっている、と主張する。
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「制空権と制海権をもたなければ、紛争の際に中国海軍の艦艇は標的にされてしまう」と中国人民解放軍のある退役将校は言う。「東南アジア諸国にとって、中国の海軍は威圧的に映るかもしれないが、その能力の対象は中国近海に限られている。まだ公海で軍事力を行使できるような存在ではない」と語る。
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中国海軍力の評価についても、総合力ではまだ米海軍にはるかに及ばないとの見方もある。米中両国の軍事当局者によると、米国は11隻の空母、約90隻の強力な水上艦、約70隻の原子力潜水艦を保有しているほか、軍事技術についても当面は中国よりも優位を維持する可能性が高い。
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中国海軍の元士官の一人は、匿名を条件に「中国海軍は米海軍より少なくとも30年は遅れている」と語り、中国海軍はまだ米国にとって恐れるに足る存在ではないと評した。
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内外の専門家が指摘する中国海軍の問題点の一つは莫大なコスト負担だ。造船業界によると、艦艇を保有するコストの総額は、維持費や修繕費を含めると、初期費用の3倍に達する。
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技術面でも米国に追いついていない分野がある。国連軍備登録制度に基づくデータによると、中国の造船所はいまだに一部のエンジン、武器、センサーを海外メーカーから調達している。米国では軍事機密を窃取したとして中国人が逮捕される事件が相次いでいるが、その背景には中国海軍のレーダー、水中センサー、その他の電子技術が不足しているという実態がある、との指摘もある。
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さらに、中国や欧米の軍事専門家は、潜水艦に対する戦闘能力について、中国の立ち遅れを指摘。さらに、中国海軍は台湾に上陸して侵攻するための揚陸艦の作戦能力が欠如しているとみる。
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世界第2位の経済大国と言われる中国でも、米国の経済の影響下にあることは「米中貿易戦争でダメージを受けている」ことでもよく分かる。中国が米国にまさるのは人口数であろう。
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今の中国が、ロシアに取って代われるほど軍事技術が優秀ではない。いまは対米戦略上ロシアは中国と同盟国であろうが、この先、いつ破綻するか危うい同盟とも言える。
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世界は混迷の最中とも言える。
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