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EU加盟国では39万1000人!
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10月29日、デンマーク・コペンハーゲンに本部を置く欧州環境庁(EEA)は、ヨーロッパでの大気汚染に関する報告書を発表した。昨年と同様、あまり安心できる内容ではない。
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ヨーロッパの大気中の微粒子状物質(PM2.5)、二酸化窒素(ディーゼルエンジンから排出されるNO2)、オゾン(O3)の2015年における濃度は改善されてきてはいるものの、欧州連合( EU)が認可した限度、そしてそれよりもさらに厳しい世界保健機構(WHO)が推奨する基準を以前超えている。
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EEAによって収集された最新のデータによれば、直径2.5マイクロメートル未満の粒子状物質PM2.5は、2015年に、ヨーロッパ全体で約42万2 000人の早死にの主要な原因だと推定されており、EUの加盟国28カ国に限ると、39万1000人の早死にの原因と見なされている。これは、2014年に微粒子が関与した早死に39万9000人よりも穏やかな改善が見られるもののEEAは、「欧州全体で大気汚染は依然として高すぎる」と結論づけている。国別で見ると、ドイツで最も多く62,300人、ついでポーランド60,600人、イタリア 44,500人、フランス 35,800人の順となっている。
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二酸化窒素NO2が原因とされる早死にの死者数は、2015年にEU加盟国では76,000人(ヨーロッパ全体では79,000人)と推定されている。また、オゾンが原因の早死には、16,400人(ヨーロッパ全体で17,700人)と推定されている。
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道路輸送は、農業、エネルギー生産、製造業と共に、ヨーロッパの大気汚染の主な原因となっている。地上レベルでより有害とされる道路輸送伴う有害物質は、排出が最も多い都市に住むヨーロッパ人に最も影響を与えている。
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欧州委員会は今年の5月中旬に、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ハンガリー、ルーマニアの6か国が欧州連合(EU)の大気環境基準に従っていないとして、欧州司法裁判所に提訴する決定を下している。
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