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11月の米制裁・再開控え!
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米制裁に追従か!
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米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は10月25日、イラン産原油の世界最大の輸入国である中国が輸入を減らし始めたと報じた。中国は米国の禁輸要請を拒否していたが、米国が11月5日にイラン制裁第2弾を再発動する前に協力に転じた可能性がある。イラン経済にとっては大きな打撃となりそうだ。
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米国は制裁再開前にイラン産原油の輸入を停止するよう各国に要求。他の大口輸入国であるインドやトルコは依然として禁輸に慎重な姿勢を示しているが、米国の制裁を恐れて一定の削減に応じるとみられている。
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トランプ米政権がイラン産原油の禁輸措置を発動する11月5日を控え、イラン産の最大の輸入国である中国が取引削減に動き出したと複数の欧米メディアが26日までに報じた。中国国営の輸入元が11月のイラン産原油の積み荷を予約していないといい、米政府による対イラン制裁に反発してきた中国が、対立回避を探って制裁に同調する方針に転換したとの見方が出ている。
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米紙ウォールストリート・ジャーナルは、関係者の話として、中国国有企業の中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工集団(シノペック)は11月分のイラン産の積み荷を予約しなかったと伝えた。
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米政府は、再開を決めた対イラン制裁の第2弾として、原油の完全禁輸を含む制裁を11月5日に発動。各国に取引停止を求め、制裁に従わない企業などを、米金融機関の決済網から排除する履行担保の措置も実施する構えだ。
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そのためイランとの決済を扱ってきたCNPC系列の崑崙銀行は、イラン側に11月4日の期限までに取引をやめると伝えたという。
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中国政府は6月に米政府が表明したイラン産の完全禁輸に反発し、「イランとの交流を保つ」(外務省)などと制裁への同調を拒否する考えを強調していた。ただ、米金融システムから遮断されれば経済への影響も免れず、制裁への協力に転じた可能性があるという。
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中国が貿易問題をめぐって対立する米国との摩擦回避を探る中、「中国政府が国有2社に対してイラン産を購入しないよう伝えた」(ブルームバーグ通信)との見方も出ている。
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同紙によると、中国のイラン産原油の輸入量は日量60万バレル程度。イランの原油産出量は5月に日量380万バレルだったが、既に10月初めに330万バレルまで低下したという。
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イラン産原油の大口輸入国であるインドやトルコは依然として禁輸措置への慎重姿勢を崩していない。ただ、イランと貿易面で関係が深い欧州企業も、取引削減に動いており、米制裁によるイラン経済への影響は避けられない情勢だ。
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