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長崎-上五島航路・再開を目指す!
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経営破綻した五島産業汽船(長崎県新上五島町)の航路を引き継ごうと、同社の元従業員らが新会社を設立した。10月15日に県庁で記者会見した藤原圭介社長(44)らは、運休した航路のうち長崎-上五島(鯛ノ浦)を譲り受けるための認可申請を九州運輸局に提出したことなどを明らかにしたうえで、「一日も早い就航に向けて全力で頑張っていく」と話した。
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藤原氏らによると、新会社の設立は10日付。従業員は、藤原氏を含め旧会社とその関連会社の元従業員20人。出資者からの借入金などで、既に旧会社から高速船「ありかわ8号」(定員79人)と鯛ノ浦港ターミナルビルを購入した。
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旧会社は県本土と離島などを結ぶ定期・不定期の4航路を運航。また、関連会社が離島同士を結ぶ便を運航していた。このうち、1日3往復で年間約11万人が利用していた長崎-上五島航路について譲渡を受け、ありかわ8号による運航再開を目指す。再開した場合、当面は1日2往復の運航の予定という。
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同航路では旧会社が新上五島町から町所有の船「びっぐあーす」(定員300人)2隻を無償貸与され、指定管理航路として運航していた。新会社側は16日に同町に説明し、指定管理を受けられるよう要請する方針。旧会社に支払い済みの運賃も窓口で払い戻しを担い、回数券も利用できるようにするという。
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一方、同町の担当者は「一定の雇用維持や、島民の救済につながるなら航路再開はありがたい」と歓迎しつつ、「町には何の説明もない。航路維持の計画性などもわからない」と困惑した様子で話した。
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また、離島と本土を結ぶ高速船などを運航する九州商船(長崎市)は、同町からの要請を受け、同町の有川と佐世保を結ぶ航路を、日帰り可能なダイヤに改正する方針を表明。新上五島-長崎の航路については他社と競合しない限り、新たな高速船を投入する予定とし、同町の同意が得られれば、新船就航までのつなぎとして「びっぐあーす」を運航したいとしている。
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