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欧州連合(EU)など他国は導入済み!
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公正取引委員会は企業が下請けいじめなどを自ら改めれば、独占禁止法上の処分をせず調査を終える制度を導入する。企業が努力次第で課徴金などを避けられるようにして、下請けへの過度な値引き要求などをなくすように誘導する。独禁法違反を巡る企業と当局の争いも減らし、ビジネスの停滞を防ぐ。
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「確約制度」と呼ばれる仕組みを導入する。企業が独禁法に違反している疑いがある場合、公取委はまず問題点を指摘する。企業は指摘から60日以内に、違反状況を一定期間内に改めると約束する「確約計画」を作る。計画を実行することで違反行為が解消される見込みであれば公取委は計画を認定し、排除措置命令や課徴金を課さない。
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この仕組みは2017年11月に大筋合意した11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)で各国に導入が義務付けられた。政府は19年初めと見込むTPP11の発効と同時に施行する。
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制度の対象は企業が強い立場を利用して取引先に不利な取引条件を押しつける「優越的地位の乱用」や、取引の拒否などで競合他社を排除する「私的独占」などだ。談合やカルテル、繰り返しの違反など悪質な行為は対象外とする。
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企業は確約計画で、不利な取引条件によって得た金銭を取引先に返したり、取引先との契約を公正なものに見直したりするなどの具体案を盛り込む必要がある。
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計画通りに改められなかった場合は公取委は認定を取り消して調査を再開し、違反が認められれば課徴金などを課す。
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新たな仕組みの狙いは「できるだけ早期に競争状態を回復する」(公取委の山田昭典事務総長)ことにある。仮に企業が不正を自主的に改めず、公取委の処分で課徴金を課せられれば、経営陣は株主に責任を問われる可能性がある。談合では、申告順に適用を決める課徴金減免(リーニエンシー)制度の利用が広がっている。
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公取委の調査は排除措置命令まで平均15カ月程度かかっている。独禁法違反にあたるとの周辺情報を得てから調査に入るため、調査が始まれば多くのケースが独禁法違反に問われることになる。公取委と企業がやり取りを続けるよりは、企業が早期に改善をする仕組みのほうが、効率良く違反を抑止できる面がある。
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独禁法違反を巡る企業と当局の争いも減らし、ビジネスの停滞を防ぐねらいがある。独禁法違反を巡る企業と当局の争いも減らし、ビジネスの停滞を防ぐねらいがある
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先行して制度を導入した欧州連合(EU)では、競争当局による調査期間が7割程度に短縮されるなどの成果があったという。シンガポールやオーストラリア、カナダなど他のTPP11参加国のほとんども導入済みで、日本は遅れている。
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公取委は企業に問題点を指摘し、企業と一緒に改善に向けた確約計画を作る。企業と協調し、効率よく下請けいじめを減らす狙いもある。西村あさひ法律事務所の沼田知之弁護士は「企業は公取委の判断に従うだけだったが、新たな制度では公取委と是正に向けた措置を柔軟にとれるようになる」と期待する。
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最近は企業側が改善を約束する代わりに公取委が調査を打ち切るなど、現場の実情に応じた柔軟な対応も出てきている。17年に公取委が実施したインターネット通販大手アマゾンジャパン(東京・目黒)に対する調査では、同社が自主改善策を提示。最安値での出品を納入業者に保証させる契約を見直すことを約束した。
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公取委は見直し完了を確認した上で調査を終えた。
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2018年2月に立ち入り調査を実施したペット売買仲介サイトの事業者に対しても、自発的な改善措置によって独禁法違反の疑いが解消されたとして5月に調査を打ち切った。新制度はこうした取り組みの法的根拠を明確化し、企業に一層の活用を促すねらいがある。
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