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関係者はビックリ!
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最低でも1機あたり100万円!
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防衛省関係者は「プロユースと呼ばれる高価格帯の機体でこの値段は大赤字もいいところです」と首を傾げる。
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発注したのは、防衛省外局の防衛装備庁だ。
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「装備品の調達や輸出を担当する組織で、2015年に発足したばかり。ドローンは警察や消防では導入が進んでいますが、防衛省は今回が初めてだったようです」(同前)
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公告されたのは今年1月23日で、品名は「災害用空中捜索装置(試験用)」。災害発生時に現地の状況を空中撮影する用途だ。一般競争入札に参加したのは日立製作所とNECの2社だった。
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「ドローン本体を製造するのはベンチャー企業ですが、彼らは新興企業のため入札参加資格がありません。そこで、日立製作所やNECに“代理人”のような役割を頼み、入札に参加したのです」(同前)
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防衛省側が要求した機能は、赤外線カメラに防風、防水、自動帰還など。
「特注品となり、最低でも1機あたり100万円はかかる。9000円では赤外線カメラもつけられませんから。“桁違い”の落札額を知ったNEC側は絶句したそうです」(同前)
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当該ドローンを製造するメーカー関係者はこう説明する。
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「入札は日立さんにお願いしていて、価格は関知していません。我々は、適正な金額を日立さんから頂くことになっています」
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国の入札を巡っては、13年に林野庁の衛星携帯電話の調達で「1円入札」が問題になったことがある。
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独占禁止法に詳しく、公正取引委員会の勤務経験がある籔内俊輔弁護士が説明する。
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「一般論ですが、林野庁の1円入札と同じように複数年度の契約を前提に収益があがるビジネスモデルであれば独禁法に抵触しないと思いますが、昨年度の落札部分だけを見れば独禁法の不当廉売の恐れがあるとは言えるでしょう」
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防衛装備庁は、「契約内容が履行されない恐れはなく、公正な取引の秩序を乱す恐れもない」と回答。
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日立製作所に取材を申し込んだが、2週間以上たっても「現在事実確認中のため詳細はお答えできません」。
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