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元菌・大阪府堺市のリサイクル工場で採取!
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米英の研究者による共同チームがこのほど、ペットボトルなどのプラスチックを分解する新種の酵素を偶然発見した。深刻化するプラスチックごみ問題の解決策になることが期待される。
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英ポーツマス大学と米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の共同チームはもともと、数年前に日本で見つかったプラスチック分解菌の研究に取り組んでいた。
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細菌は大阪府堺市のリサイクル工場で採取されたサンプルから見つかり、ペットボトルなどに使われるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解して栄養源としていることが判明。「イデオネラ・サカイエンシス201―F6株」と名付けられていた。
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NRELのグループを率いるグレッグ・ベッカム氏によると、この細菌が持つ酵素の構造を研究する過程で偶然、PETをより強力に分解する新種の酵素が検出されたという。
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ポーツマス大学教授のジョン・マクギーハン氏は「偶然の出会いは基礎科学研究に大きな役割を果たす。我々の発見もその一例だ」と話す。
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新たな酵素にはPETだけでなく、PETに代わるバイオ由来の新素材、ポリエチレンフランジカルボキシレート(PEF)を分解する能力があることも分かった。NRELによれば、PEFはPETのように石油からではなく、バイオ原料から合成されるが、ごみとして捨てられた後に自然の状態ではほとんど分解されず、残ってしまうことに変わりはないという。
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共同チームは研究成果を米科学アカデミー紀要(PNAS)の最新号に報告し、さらに酵素を改良する研究に取り組んでいる。分解にかかる時間を大幅に短縮し、大量処理に活用することを目指すという。
NRELによれば、世界の海にはペットボトルなどのプラスチックごみが毎年800万トンも廃棄されている。2050年までには、海に生息する魚とプラスチックごみの体積が並ぶほどの量になる見通しだ。
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英科学誌サイエンティフィックリポーツが先月伝えた3年間に及ぶ研究の結果によると、海洋ごみが集まる「太平洋ごみベルト」は予想を上回る速さで拡大し、すでにフランス国土の3倍の面積に達しているという。
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マクギーハン氏は「プラスチックごみ問題への取り組みではだれもが大きな役割を果たせる。だがプラスチックという『魔法の素材』を生み出した科学界は今こそ、あらゆる技術を駆使して真の解決策を編み出さなければならない」と強調した。
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