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原油生産が最低水準!
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資源を持つ弱小貧困国・中国の餌に!
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政情混乱や深刻な経済危機に直面する南米ベネズエラの原油生産量が2017年12月、日量170万バレルと過去28年間で最低水準に陥ったことが1月14日までにわかった。エネルギー関連分野の情報提供企業「S&Pグローバル・プラッツ」が報告した。
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ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を有しているとされる産油大国だが、経済危機が表面化し始めた2014年からは27%落ち込む水準となっている。
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マドゥロ大統領率いる政権の経済失政などで財政破綻の危機が深まり、デフォルト(債務不履行)は必至との見方も出ている。
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石油収入はベネズエラの主要な歳入源で、歯止めが利かない生産量減少は食糧や医薬品不足などに泣く国民の窮状をさらに深刻化させる。同国政府の統計によると、経済危機の進行に伴いマラリア感染や幼児死亡が激増。政府は貴重な石油輸出収入を食糧や医薬品確保に充てざるを得ない事態に追い込まれている。
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デフォルトに襲われた場合、債務の早期返済を求める債権者が米国内にあるベネズエラの石油権益や洋上のタンカーの押収を急ぐ事態も予想されている。
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ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は前任者ウゴ・チャベスの遺志を継いで「ボリバル革命」の旗を掲げ続けているが、頼みの綱の原油価格は一向に上がらず、経済危機は悪化の一途をたどっている。油田掘削装置の補修費や労働者への賃金の支払いもままならず、原油生産はストップ。深刻な物資不足で国民の怒りはピークに達し、マドゥロ退陣を求めるデモが全土に広がっている。
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経済繁栄の中国と中国から大借金をしているベネズエラ。明暗がくっきりと分かれる両国の経済だが、実は共通の「爆弾」を抱えている。中国の習近平国家主席が膨大な資金力にものをいわせて影響力を拡大しようと「金融外交」を展開しているからだ。
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中国にも手痛い打撃を与えかねない。ベネズエラ経済の崩壊がそれを示す実例となりそうだ。
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99年にチャベスが反米・社会主義路線を掲げて政権の座に就くと、中国は彼をイデオロギー的な盟友と見なし、ベネズエラにカネを貸し始めた。
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公式には中国の融資は資金の使途や返済に条件の付く「ひも付き」融資ではないが、現実は玉虫色だ。00年以降、中国は新たな市場の開拓と資源の確保を目指して積極的に対外投融資を始めた。
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石油を確保しつつ中南米に友好国をつくるという中国の思惑は、アメリカと縁を切って貿易相手国を多様化したいというベネズエラの思惑とぴたりと合致した。思想と経済は別物。融資条件は中国に非常に有利なものだ。
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07~14年に中国はベネズエラに630億ドルを融資。この金額は同時期の中国の中南米諸国への融資総額の53%に当たる。返済は石油で行うことになっていたのだ。
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融資契約の大半が結ばれた時期に1バレル=100ドル強で推移していた原油価格は、16年1月には1バレル=30ドル近くまで下落。こうなるとどう頑張っても返済が追い付かない。今やベネズエラは契約当初の2倍の原油を中国に輸送する羽目に陥った。
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ベネズエラ経済が完全に破綻し、マドゥロ政権が崩壊すれば、中国は外交・経済両面で大打撃を受けかねない。その証拠に国家経済を破滅に導いたマドゥロ政権がなかなか倒れないのは中国が支えているからだと、ベネズエラの野党はみている。
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マドゥロ失脚後の新政権はチャベス=マドゥロ時代に結ばれたローン契約を無効とし、アメリカに支援を求めるだろう。そうなれば中国のメンツは丸つぶれだ。中国は過去に貧困国のデフォルト(債務不履行)を熱っぽく擁護したことがある。当時の債権国は欧米諸国だったから、借金を踏み倒されても中国に実害は及ばなかった。
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ベネズエラがデフォルトに陥れば、中国ばかりかほかの国々も影響を被るだろう。
中国は「一帯一路」の一環として、多くの国々にベネズエラ方式の融資を行う計画だ。資金と技術的なノウハウを提供してインフラ整備を支援すれば、資源や物流拠点を確保できる上、友好国を増やして国際社会で影響力を拡大でき、あわよくば、スリランカのように軍事基地として99年譲渡という中国には一石二鳥の援助計画だ。
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アメリカはトランプ政権になり、アメリカ第1主義をとり、世界のリーダーの役割を放棄した。オバマ前政権のアジア重視政策が掛け声だけで終わったのも、中国のアジア政策には好都合だ。
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ベネズエラ経済が破綻の淵に追い込まれたのは、愚かな経済政策を進める独裁政権に、無制限にカネを貸す太っ腹なスポンサーがいたからだ。この有害な組み合わせは、一帯一路で多額の融資を受ける多くの国々に共通している。
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早くもスリランカとパキスタンは債務危機に追い込まれつつある。スリランカは中国の資金で南部にハンバントタ港を建設したものの、重い金利負担にあえぎ港の運営権を99年間中国に貸し出すことにした。中国はパキスタンの通貨危機を防ぐためこの1年に12億ドルの緊急融資を行い、さらにインフラ整備のため今後数年にわたって最低でも520億ドルを投資する計画だ。
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スリランカは、中国が20億ドルの借金棒引きを認めたが、その後にまたインフラ事業で320億ドルを投資した。大型インフラ事業で中国マネーが流入するパキスタンではインフレが起きるのは必至で、そうなれば債務返済はさらに困難になる。
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中国は今後10~15年間で一帯一路事業に5兆ドルを投じると公言している。実行すれば中国にとっても大きな負担になり、比較的小規模のデフォルトでも経済的・政治的に深刻な打撃をもたらす可能性がある。
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既にベネズエラ、スリランカ、パキスタンの苦境を見て、ほかの国々は中国マネーに飛び付かない姿勢を見せている。今後、借り手と貸し手が相互不信に陥り、借り手が次々に破産する事態もあり得る。中国がの思惑で動いている世界経済。金融外交でいくら札ビラを切ったところで、禿鷹中国のやり口がいつまで続くのだろうか。
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