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架空の設計業務委託・6年間で1億円!
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キックバック・退職者や病気の社員に必要!
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下請け業者への架空発注で会社に損害を与えたとして、大阪府警捜査2課は1月16日、背任容疑で、大手ゼネコン竹中工務店の子会社「TAKシステムズ」(大阪市中央区)の元社員、井手明利司容疑者(67)=大阪府高槻市=を逮捕した。架空取引の総額は6年間で約1億円に上るといい、同課で使途を調べる。
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逮捕容疑は同社の大阪支店次長だった平成28年8~10月、下請け業者と架空の設計業務委託契約を結んでTAK社に報酬を請求させ、同社に約130万円の損害を与えたとしている。容疑を認めている。
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同課によると、井手容疑者は取引関係のあった業者に「退職者や心の病気になった社員に渡すため、ストックする必要がある」として裏金作りへの協力を呼びかけていた。
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正規の業務委託に架空の追加発注を上乗せする手口で、いったん業者に支払われた報酬を還流させていたという。
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捜査2課によると、井手容疑者は大阪支店次長だった2016年8月ごろ、下請け会社に架空の業務を発注してTAK社に請求させ、同社に約130万円を支払わせて損害を与えた疑いがある。支払額の多くが下請けから孫請けを経由し、井手容疑者に渡っていたという。井手容疑者は当時、TAK社を退職し、引き続き派遣社員として同支店次長を務めていた。
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TAK社の社内調査で不正が発覚し、井手容疑者は仕事を辞めたという。同社は取材に「警察にお任せしているのでコメントできない」と答えた。ホームページなどによると、同社は1990年に設立され、建設工事の設計、施工に伴う図形情報処理業務の受託や建築物の設計などを行っている。
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竹中工務店によると、井手容疑者は1992年4月に同社からTAK社に出向。不正が発覚した後の昨年1月に系列の人材派遣会社を退社し、同3月、府警が刑事告訴を受けて捜査していた。
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企業が人員削減のため、子会社を次々につくり業務を移転させているが、本社が子会社の業務や人的管理が出来ない中で、技術・品質の偽装や金銭の不明朗によるスキャンダルが多発している。企業本来の仕事以外に手を伸ばし、管理が疎かになるくらいなら「系列子会社から外す」ほうが、企業のためだ。
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