1万円札:7年後には廃止!?

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狙いはタンス預金か!
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世界で相次ぐ高額紙幣の廃止論議!
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日本は高額紙幣を廃止すべきである――そんな主張が、2016年秋頃から海外を発端に相次いでいる。口火を切ったのはマクロ経済学の大家で米ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授。自著で、5~7年かけて1万円札と5千円札を廃止することで、「レスキャッシュ社会(現金割合の少ない社会)」を実現することを日本に提案したのだ。
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また、元イングランド銀行金融政策委員のウィレム・ブイター氏も、『日経新聞』
(11月20日付)でロゴフ氏に賛同しつつ、高額紙幣を廃止し、半ば強制的に銀行に預金
させることで日銀による集中管理型デジタル通貨に移行すべきと説いている。
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2016年11月には突如、インドが1000ルピー(約1700円)紙幣と500ルピー紙幣を廃止したのも記憶に新しいが、このような高額紙幣廃止議論は世界で巻き起こっている。それらの国々の様子を見ると、、、。
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●アメリカ
2016年、500ユーロ紙幣の廃止決定を受け、クリントン政権で財務長官を務めたローセンス・サマーズ氏が「100ドル札を廃止すべき」とワシントン・ポスト紙で提言。以来、現在でも議論が続く。現在、米国で100ドル札は商店などで受け取り拒否に遭うことも多い。
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●EU
2016年に欧州中央銀行は、18年末までに500ユーロ(約7万円)紙幣の発行停止を正式決定。同紙幣は実社会ではほとんど流通していないが、世界中でマネーロンダリングや犯罪に使用されていた。200ユーロ紙幣が最高額となるが、こちらも一部の学者が廃止を提言している。
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●インド
2016年11月、モディ首相が前触れもなく突然500ルピー(約800円)紙幣と1000ルピー紙幣の廃止を宣言し、社会が大混乱した。1年が経過し、脱税抑止と電子マネー普及に繋がったとインド政府が発表したが、不正資金の撲滅に関しては効果がなかったという。
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●中国
もともと、最高額紙幣が100元(約1600円)と低い。昨今の経済成長を受け、国内外から高額紙幣の発行を求める声が多かったが、中国政府は高額紙幣がインフレを助長すると考えており、電子マネーも普及した昨今、新札発行の可能性はほぼなくなったようだ。
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果たして日本でも1万円廃止の議論が深まっていくだろうか?
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2016年秋頃に突如、経済メディアを中心にわき起こった「高額紙幣廃止論」。ここに来て、政府内でも検討が始まったという情報が入ってきた。その真偽と実施の可能性、そして議論の裏にある目論見とは!?
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7年後をメドに廃止するという情報は本当か!? 日本人にとっては降ってわいたような話であり、財布の中から1万円札と5000円札が消えることなど想像しにくい。しかし高額紙幣の廃止は国際的にも趨勢となりつつあるのだ。
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2014年に1万シンガポールドル(約83万円)紙幣の発行が停止。インドが1000ルピー(約1700円)紙幣と500ルピー紙幣を廃止した。インドの場合、同紙幣の保有者は4週間以内に別の紙幣に交換するか、預金するかのいずれかを迫られた。
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米国やカナダ、オーストラリアも、高額紙幣の廃止を検討している。
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これらの国々が高額紙幣を廃止する第一の目的は、資産隠しによる徴税逃れやマネーロンダリングの防止だ。最高額紙幣の額面が小さくなればなるほど、持ち運びや隠匿が難しくなるからだ。インドでは一定の効果が出ているという。
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こうしたなか、日本国内でもいよいよ高額紙幣の廃止に関する議論がスタートしてい
るという。ある政府関係者はこう証言する。
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「インドでの成功例を受け、日本でも1万円札と5000円札を7年後をメドに廃止する検討チームが日銀内で立ち上がったと聞きました。ドルやユーロとも歩調を合わせるということらしい」
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共通報告基準(CRS)による預金口座情報の自動交換を始め、国際社会では租税回避やマネーロンダリング防止に向けた連携が近年、強化されているが、高額紙幣廃止もその一環なのだろうか。
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真偽を確かめるため、日銀に問い合わせたところ「通貨の発行については財務省の管轄になる」(広報課)と回答。一方、財務省国庫課は「高額紙幣の廃止に関してまった
く検討しておらず、将来的な廃止も考えていない」と否定した。先の証言と異なるが、
金融アナリストの久保田博幸氏は「実態は『検討チーム』ではなく、一部の官僚による
非公式な勉強会に近い可能性もある」という。
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経済評論家の加谷珪一氏は、高額紙幣廃止には景気を刺激する効果もあると話す。
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「マイナス金利政策により、日本のタンス預金は50兆円にまで膨れ上がっているといわ
れている。1万円札と5000円札が廃止されれば、資産を現金で保有する人は確実に

減る。そうなれば、タンス預金の一部は市中に流れ、景気浮揚に繋がる可能性がある。また、高額紙幣と入れ替わる形で電子マネーが普及すれば、小銭の受け渡しが面倒だった少額商品の消費も喚起されるのでは。現金を用意するために銀行窓口やATMに長蛇の列を成すという不経済も解消されるでしょう」
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日本での高額紙幣廃止には我が国特有の“壁”がいくつも存在すると指摘する。
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「500ユーロ札や100米ドル札は、実際に使おうとすると断られるか偽札でないかどうかじっくり吟味されるので、日常生活ではほとんど使われていない。なので、廃止しても反対する人は少ないのです。しかし、日本で日常的に使用されている1万円を突然なくすとなれば話は別。大きな反発が予想される。まだまだ現金主義の日本では『結婚式のご祝儀はどうするんだ』といった話も出てくるでしょう。そうした事情をロゴフ氏はおそらくわかっていない。財産権との兼ね合いもあるのでインドのような強引な方法も難しい」
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久保田博幸氏も、ロゴフ氏の論の穴を指摘する。
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「日本の国税は海外の税務当局と比べても無能というわけでもなく、脱税やマネーロン
ダリング目的に日本円の現金が大量に退蔵されているとは思えない。さらに国際的なテ
ロの資金調達に、ほぼ日本国内だけで流通する日本円が大量に使われるとも考えにくい

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ちなみにロゴフ氏は、著書で〈日本にはヤクザもいるし脱税もある。現金のかなりの割合が地下経済で保有されているのは、まずまちがいない〉と断定。その根拠として「『マルサの女』などの映画にも描かれている」としているが、論理的とは言い難い。
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加谷氏は「あくまで私見」としたうえでこんな見立てを述べる。
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「ロゴフ氏は経済学者なので、高額紙幣廃止の実証実験をしたいのではないでしょうか
。ユーロやドルと異なり、日本円の多くは国内で保有されているので、実験サンプルと
してもってこいですから」
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しかし、こうした状況を踏まえてもなお、「すぐに廃止されることはないが、将来的に1万円札が廃止される可能性はあり得る」と予測するのは東短リサーチの加藤出チーフエコノミストだ。
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「日本ではGDPの約2割に当たる90兆~100兆円の現金が流通しているが、これは世界的に見ても突出している。現金の管理や防犯にかかるコストを考えると、電子マネーのほうが優れており、日本でもゆっくりと現金比率は低下していくと予想される。

現時点では1万円札は国民に日常使われているが、電子マネーという受け皿が浸透し『1万円ってもう随分見ていないよね』っていう状況になれば、廃止しても問題ないはず」
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さらに「高額紙幣の廃止自体は法改正をすればよく、技術的には可能」(久保田氏)
だと言う。
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高額紙幣の廃止は、我々の経済活動や生活に直結する大きな問題だ。今後も国内外の情勢や成り行きを注視していきたい。
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このような議論が起きたとき、政府主導のマイナンバーがどう利用されているのか、話題にもならないのは不思議な話だ。議論の行きつく先にあるのは、高額紙幣の廃止でなく「デノミになる可能性法が大きい」と思うのだが、、、。
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